日本HP、インフラ管理ポータル「Insight Online」や「ProLiant Gen8」新モデルなど

運用負荷削減に向け“自働サーバー”を強化


 日本HPは11日、インフラ管理用クラウドポータルサービス「HP Insight Online」の正式サービスを開始した。また「HP インテリジェントラック」において、位置情報検出機能を利用可能とするオプションキット「HP ロケーションディスカバリキット」の提供も開始し、「HP Insight Online」と合わせて顧客のシステム運用管理の負荷軽減に貢献する。さらに「HP ProLiant Generation 8(以下、ProLiant Gen8)」のラインアップを拡充し、4Pサーバー「DL560 Gen8」と「BL660c Gen8」、1Pサーバー「DL320e Gen8」「ML310e Gen8」の計4モデルの提供を開始する。

 ProLiant Gen8は、ハードウェアと管理情報ポータル、および保守サービスを一体化し、導入・監視・運用・保守に至るライフサイクル全般におけるサーバー運用管理を“自働化”することをコンセプトとした次世代x86サーバー。

 この“自働化”コンセプトの中核機能を担うのが、インフラ管理用クラウドポータルサービス「HP Insight Online」。ProLiant Gen8をはじめ、ProLiant Gen4以降、HP-UXサーバー「HP Integrity」、ブレードサーバー「HP BladeSyste」、FC/iSCSI SAN対応の共有ストレージ「HP P2000/P4000/P6000シリーズ」、HPネットワーク製品、HP UPS、HPテープライブラリなどの状況を可視化する。

 具体的には、HPサポートセンターのWebサイトにおいて、HP通報サービスで収集された機器の構成情報・ヘルスステータス情報・HP標準保障/保守契約情報などを集約し一覧表示できる。

HP Insight Onlineの概要対象機器も大幅拡大。ProLiant Gen8以外にもさまざまな機器を管理できる

 一方、HP ロケーションディスカバリキットは、HPラック製品「HP インテリジェントラック」の新機能として、位置情報検出機能を提供するオプション製品。ProLiant Gen8などの位置検出機能対応サーバーと連携し、ラック内のサーバーの位置情報を自動検出し、管理ソフト「HP Insight Control」に通知する。「従来、ラック内におけるサーバーの位置情報はExcelで手作業で管理されたり、まったく管理されていないケースがあり、作業ミスのリスクやいざというときのダウンタイムを無駄に拡大してしまっていた」と、データセンターにおける作業の不効率さを同社は指摘する。

 HP ロケーションディスカバリキットでは、ProLiant Gen8の耳(ラックに固定する部分)に内蔵されたセンサーとラック側のセンサーが連動することで、サーバーの位置情報(ラックIDとU位置)をサーバー自身がラックから取得することで、そのような不効率さを解消するというわけだ。

ロケーションディスカバリ機能の概要設置したサーバーのU位置が把握できる

 すでに提供済みの、サーバー内の温度情報を自動的に検出する「サーマルディスカバリ機能」や、サーバー・ラック単位での電力使用状況を自動的に検出する「パワーディスカバリ機能」と組み合わせることで、HP Insight Controlでは、障害情報や構成情報に加えて、電源結線、発熱状況、位置情報などさまざまな情報を集約して可視化できるようになる。

障害情報や構成情報に加えて、電源結線、発熱状況、位置情報などさまざまな情報を集約して可視化

 同社では「今回の技術にはサーバー側にも仕組みが必要。ラックベンダーなども同じように構成管理ソフトを提供していたりするが、サーバーと組み合わせたソリューションを提供できるのは、ラックとサーバー、PDUまで一貫して提供しているHPならではの強みだ」とアピールしている。

 HP ロケーションディスカバリキットの価格は2万4150円から。

ProLiant Gen8のラインアップを拡充

 サーバーの新製品としては、ProLiant Gen8シリーズ初となる、4Pのラックマウント型(DL560 Gen8)・ブレード型(BL660c Gen8)、および1Pのラックマウント型(DL320e Gen8)・タワー型(ML310e Gen8)をリリースし、ローエンドからハイエンドまでラインアップをすべて取りそろえた。

 DL560 Gen8とBL660c Gen8は最新のXeon E5-4600ファミリの搭載により、既存の4Pモデルに比べて50%の省スペース化、30%の省電力化を実現し、1ノードあたりの集約度と拡張性を向上している。これにより、VDIなどの大規模仮想化統合やHPC、ビッグデータ活用に求められる高速データ処理に対して最適なプラットフォームを提供するとしている。

 価格はDL560 Gen8が64万9950円から、BL660c Gen8が96万1800円から。


DL560 Gen8BL660c Gen8

 一方、DL320e Gen8とML310e Gen8はエントリー向けの1Pサーバーながら、Gen8シリーズの運用管理性と可用性、3年標準保証はそのまま継承。特にタワー型のML310e Gen8は5万8800円からという優れたコストパフォーマンスを実現している。

 ProLiant Gen8シリーズでサーバーの“自働化”を実現した日本HPだが、今回の新製品群で、データセンターの“自働化”を推進する考え。

DL320e Gen8ML310e Gen8
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