NECラーニング、PCなどの実機演習環境をクラウドサービスとして提供

職場や自宅から実機演習の復習が可能に


 NECラーニング株式会社は3日、PCなどの実機を使った演習環境を9月より順次、クラウド環境に移行すると発表した。クラウド基盤としては、BIGLOBEの「BIGLOBEクラウドホスティング」を利用する。

 今回クラウド環境に移行するのは、教室で実施する研修のうち、主にIT系の集合型研修。PCなどの実機を使った演習環境は現在、ローカル環境のサーバーなどに構築されているが、クラウド化した実機演習環境へのアクセス権を一定期間、NECラーニングが受講者にサービスとして提供することで、研修期間中の帰宅後、あるいは研修終了後に、受講者が職場や自宅のPCから実機演習の復習が行えるようになる。

 通常、実機を使った演習の復習を行うためには、受講者各自が専用の環境を構築する必要があるが、PCの性能や構築にかかる工数の確保などさまざまな制約があり、現実的には難しかったという。しかしこのサービスを用いると、受講者は各自のスキルによらず、また時間をかけずに研修の環境を継続して利用できるようになるとのこと。さらに、大量データの高速分散処理を実現する技術であるHadoopなど、ビッグデータに関する実機演習についても、職場や自宅PCでの復習が可能になる。

 なおNECラーニングでは、実機を使った演習環境をクラウド環境に移行するため、これまで教室に設置していた演習用PCをシンクライアント端末へ置き換える。これにより、PCの性能スペックに依存しない柔軟な実機演習教室の運用が実現し、研修スケジュールの立案もよりフレキシブルに行えるようになるという。

 さらにはこのシンクライアント化により、実機演習環境の構築作業をリモートで行えるので、これまでは最低30分から2時間程度要していた端末ごとの履修準備作業(環境設定)が、5分から10分程度で済むようになり、受講者側の会場で行うオンサイト研修の場合においても履修環境準備の短縮が図れるとした。

 具体的なスケジュールとしては、実機演習をともなう全500コース中、クラウド化への移行が可能な200コースを対象に9月より順次移行を開始し、2012度中に100コース(約400開催)、2013年度中には150コース(約800開催)の実機演習環境をクラウド化する計画。2012年度には約5000名、2013年度には約1万2000名の受講者に実機演習の復習環境が提供できる予定だ。

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(石井 一志)
2012/9/3 12:56