日本HP、x86サーバー向け新サポート「Always On Support Services」
ソフトとハードとの統合サポートやプロアクティブサポートなどを提供
日本HP 常務執行役員 テクノロジーサービス事業統括の津村伸武氏 |
日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は16日、x86サーバーを中心とした顧客向けの新サポートプログラム「Always On Support Services」を発表した。
日本HP 常務執行役員 テクノロジーサービス事業統括の津村伸武氏は、従来のサポートについて、「機器ごとに、壊れたら直すといった事後対応が中心。また、障害発生後は障害の切り分けは情報の伝達などでお客さま側での対応が増え、大きな負担になってきていた」と問題点を指摘。これを解決するために、サポートの体制を整備し、新プログラムとして提供するとした。
すでに日本HPでは、サポート部門がハードウェアの開発段階から仕様設計に参画した“自働”サーバー「HP ProLiant Gen8」によって、障害ログの取得強化や障害の自動通報機能を盛り込んだり、顧客の保守/契約情報を集約したクラウド管理ポータル「HP Insight Online」を提供したりするなど、サポータビリティ向上のための取り組みを製品面で行っているが、今回のサポートサービス自体の強化により、さらに顧客の負担を軽減。初回コールでの問題解決率を95%に、計画外システム停止の解決時間を66%に短縮するという。
具体的な新サービスメニューとしては、「ファウンデーションケア」「プロアクティブケア」「データセンターケア」「ライフサイクルイベントサービス」の4つのメニューを用意した。
日本HPではサポート強化のために、ハードウェアへの機能組み込みやサポート専用のクラウドポータルなどを提供してきたが、今回はサポートメニューを刷新したという | 大きく4つのサポートメニューを提供する |
ソフトウェアを含めたハードウェアサポートであるコラボサポート |
このうち「ファウンデーションケア」は障害対応中心のサポートで、従来の「ハードウェアオンサイトサポート」「ソフトウェアサポート」などのメニューに「コラボサポート」が追加される。新設された「コラボサポート」は、ソフトウェアの問題解決支援が付属したハードウェアサポートで、日本HPから購入していないソフトウェアを含めて、同社が一括して障害切り分けや対応を実施するもの。現在は、Windows、Red Hat、SUSE、VMwareが対象となっている。
津村氏はこのサポートについて、「障害時にお客さまの切り分け支援を行い、既知の問題があれば当社から解決策を提供。未知の問題の場合は、調査内容をソフトウェアベンダーへ取り次ぐことで、お客さまの負担を軽減可能だ」と、その特徴を説明。また、「もともと当社ではOEMサポートの実績があり、当社内で93%を解決した実績を持っている」と述べ、ソフトウェアを含めても高いレベルでサポートを提供できる自信を示した。
2つ目の「プロアクティブケア」は、仮想化などで複雑になったシステムの障害切り分けを支援するリアクティブサポートと、潜在的な問題を回避し、障害の発生を提言するためのプロアクティブサポートを合わせたもの。日本HPが新設したエキスパートチーム「アドバンストソリューションセンター」が専用窓口となり、仮想環境に精通したエンジニアがハードウェア、ソフトウェアの障害切り分け支援を行うほか、顧客のシステムの潜在的な問題を洗い出し、システムを健全に保つためのサポートを提供する。
「仮想サーバーはハードウェアやそのファームウェア以外にも、仮想化ソフト、ツール、ゲストOSなどのテクノロジースタックから構成され、複雑性が増す。課題に精通したエキスパートが、ハードウェア、ソフトウェアにまたがる障害に一元対応するのみならず、ファームウェアとソフトウェアのリビジョン分析と推奨、プロアクティブスキャンなどを行うことで、障害発生そのものを50%削減し、障害時の解決時間も66%以上削減できると考えている」(津村氏)。
プロアクティブケアの概要 | プロアクティブケアで提供される分析レポート |
3つ目の「データセンターケア」は、データセンターを中心に、その顧客企業に特化した要件をカスタマイズして提供するサービス。例えば、ミッションクリティカルシステム向けのサポート、HWを含めたマルチベンダーの統合サポートなどが考えられるとした。
最後の「ライフサイクルイベントサービス」は、IT設計・立案から導入、運用までのITライフサイクル全般において、必要な時に必要な場面でエキスパートからの支援を提供するサービスである。
価格は、例としてProLiant DL360p Gen8の「コラボサポート」の場合で月額1365円、同製品の「プロアクティブケア」の場合で、ハードウェアオンサイト 24×7の価格に加えて月額3600円となっている。
なお日本HPでは、これらのサービス発表に先立ち、新サービスパートナープログラム「HP ServiceONEプログラム」を4月1日より開始している。すでに米国や一部の欧州、アジア太平洋地域では2011年1月より提供されていたもので、「リセール」「リセール&デリバリー」の両面で、パートナーの業態に合わせて活用できるとのこと。