JRC、商用HVDC給電システムを構築~NTTデータが支援


 株式会社NTTデータとNTTデータ先端技術株式会社は8日、高電圧直流(HVDC)を利用した商用システム基盤を構築し、日本無線株式会社(以下、JRC)の社内システムとして3月5日より稼働を開始したと発表した。

 今回のシステムは、JRCの社内システムをプライベートクラウド環境として構築するとともに、従来の交流(AC)給電ではなく、HVDCを給電方式として採用したもの。JRCのHVDC給電システムや、そこから供給される高電圧直流電流を安全な電圧まで下げる集中電源ユニット、HVDC対応の省スペース型サーバー、Cisco UCSサーバーなどで構成される。

 従来の交流給電よりもエネルギー効率が高く、システム全体の省電力化を図れるHVDC宮殿に注目が集まる一方、技術的な課題、作業上の安全性、対応機器の少なさが普及の妨げとなっていた。今回、JRCはITコスト削減を目的に、NTTデータが提供するプライベートクラウド構築サービス「BizXaaS構築・運用サービス」を利用して、社内システムのサーバー統合を行った。その際、JRCのHVDC給電システム、NTTデータ・NTTデータ先端技術のHVDC対応製品を採用し、サーバー台数削減と給電システム改善によるエネルギー効率の向上を目指した。

 商用システムとしては国内で初めてのHVDC導入とのことで、今後、NTTデータグループは普及に向けて標準化への取り組みを加速させるほか、BizXaaSの強化・推進も図る方針。

従来のシステム
今回のシステム
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