北海道の各公立学校が共同利用する校務支援システム、ネットワンが構築


 ネットワンシステムズ株式会社(ネットワン)は22日、株式会社HARPとともに「北海道公立学校校務支援システム」を構築したと発表した。北海道内の各公立学校が共同利用できるコミュニティクラウド型の校務支援システムで、北海道教育委員会が2012年4月より提供する予定。

 北海道公立学校校務支援システムは、学校や児童生徒に関するさまざまな情報をデジタル化し、教職員間で共有するシステム。教職員の事務負担を削減するとともに、子供の育ちを教職員全体で見守るきめ細やかな指導の充実などを目的とする。各公立学校が共同利用できるクラウドサービスで、特定の業界(コミュニティ)において組織・団体の枠を超えて利用できることから「コミュニティクラウド」とも呼ばれる。

 北海道教育委員会が北海道内の公立小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の教職員に向けて、2012年4月より提供する。教職員は、出欠管理/児童生徒情報/成績処理/教務処理/保健情報/証明書発行/進路指導の各機能を持つ校務支援システムと、スケジュール/メール/施設予約/連絡網/ToDo/電子会議室の各機能を持つグループウェアが利用できる。

 構築したのは、ネットワンと、北海道電子自治体プラットフォーム構想の実現に向けて北海道庁の主導により設立された第三セクターのHARP。構築にあたっては、北海道教育委員会とHARPが挙げた「児童生徒の個人情報の漏洩を防御するための堅牢な情報セキュリティ」「システムの高可用性の確保」「大量のアクセス処理を可能にするネットワーク構成」「大容量データを格納するストレージの高信頼性と高拡張性」「情報資産の有効活用と運用効率の最大化」という点を重視。

 具体的には、ヴイエムウェアの仮想化ソフト「VMware vSphere 4」をシスコのブレードサーバー「Cisco UCS」上で稼働させ、EMCのSAN/NASを統合するユニファイドストレージ「EMC VNX5500」を用いてクラウド環境を構築した。サーバーとストレージ間は10Gigabit Ethernet上でFCoEによって接続。シトリックスの負荷分散装置「Citrix NetScaler MPX 7500」で大量のアクセスに対応し、パロアルトの次世代ファイアウォール「PA-4020」で児童生徒の個人情報を保護するセキュリティを確保した。

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(川島 弘之)
2011/12/22 12:28