NRI、ID連携サービス「Uni-ID」新版、OAuth 2.0/OpenID Connectに対応
株式会社野村総合研究所(NRI)は1日、ID連携・活用ソリューション「Uni-ID」新版を発売した。
Uni-IDは、ユーザーのID情報を活用し各種サービスを連携させるソリューション。新版では、サービス認可の仕様である「OAuth 2.0」と、ID連携仕様である「OpenID Connect」に対応した。インターネットを活用する事業者は、自社のサービスにUni-IDを導入することで、「OAuth 2.0」「OpenID Connect」に対応したID/サービス連携基盤を、既存のIT資産を生かしながら迅速に構築できるという。
OAuthは、さまざまなWebサービスを利用する際の認可方式として、ここ数年で広まった。OAuthには、「エンドユーザーはサービス事業者で使っているID/パスワードを、そのサービス事業者のAPIへアクセスするサードパーティに渡す必要がない」「サードパーティによるAPI利用の範囲をユーザーが認可できる」という特徴がある。現在、策定過程にあるOAuth 2.0は、前版と比べて、1)仕様が簡略化されて使いやすい、2)Webブラウザ以外のデバイスへの対応も考慮している、などのメリットがあるという。
一方、OpenID Connectは、ユーザーの同意に基づき、安全に複数のサービス間でID情報を流通するための標準仕様である「OpenID」の次期バージョン。現在「OAuth 2.0」をベースにした仕様策定が進められており、「OAuth 2.0」の使いやすさと拡張性はそのままに、サービスの認可に加えてID連携機能(属性交換、ログインセッション管理、本人確認レベルの扱いなど)を強化した仕様となっている。
Uni-IDではこれらの仕様に対応することで、Web APIのアクセス認可機能と認証結果や属性情報の提供機能がUni-ID前版に比べて使いやすくなったという。
「Uni-ID」による既存サービスの「ID対応 Web API」化 |
この発売に伴い、Web API導入支援プログラムも提供を始める。現状、モバイル、クラウド、ソーシャルメディアなどの活用が高度化し、異なる事業者間のサービスを組み合わせ、それらを利用シーンに最適化して提供するための手法として、サービスの機能をインターネット経由で別のサービスから呼び出せるようにするWeb APIとID連携の組み合わせに注目が集まっている。
しかし実際の構築にあたっては、両分野にまたがる広範な知識が必要となるため、自社で提供するサービス機能をWeb API化しようとするサービス事業者向けに、Uni-IDを活用し、最適なWeb API基盤の構築をサポートする「Web API導入支援プログラム」も提供を開始する。
これらのサービスを活用することで、サービス事業者はオープン標準に準拠した「つなぎやすい」Web APIを外部に公開可能となり、自社サービスと連携する新たなビジネスパートナー獲得の促進が期待できるとしている。