CA Technologies、最新自動化ソリューションの日本語版を初投入

クラウドデータセンターの管理プロセスを容易に自動化


CA Technologies カスタマー・ソリューション事業本部 セキュリティ&VSAソリューション事業部 事業部長の古場達朗氏
「CA Automation Suite for Data Centers R12.6」の概要

 CA Technologiesは29日、クラウドデータセンターのプロセスの自動化を実現するソリューション「CA Automation Suite for Data Centers R12.6」日本語版を、本日より出荷開始すると発表した。このソリューションは、今回初めて日本語化された自動化スイート製品となる。

 新製品をリリースする背景について、CA Technologies カスタマー・ソリューション事業本部 セキュリティ&VSAソリューション事業部 事業部長の古場達朗氏は、「世界的な景気の悪化を受け、現在のIT環境は“ニューノーマル(新常態)”の世界に入っている。“ニューノーマル”の世界では、コンシューマライゼーションの進行や管理生産性の低下が起こる一方で、IT予算は抑制されたままだ。そのため、知恵と工夫でITに変革をもたらす必要があり、今後、企業のITトレンドは単なる仮想化からプライベートクラウド化へとシフトすることが見込まれている。そして、このプライベートクラウド化の実現に向けて重要な役割を担うのが自動化ツールである。自動化ツールの導入により、クラウド環境構築時のTCOを大幅に削減できるという調査結果も出ている」と、市場ニーズがさらに高まっているタイミングで、最新の自動化ソリューションを国内市場に投入することを強調した。

 「CA Automation Suite for Data Centers R12.6」は、物理・仮想環境が混在するデータセンター管理のプロセスを、ボタンひとつで容易に自動化できるモジュールベースのソリューション。(1)サーバーのプロビジョニングを自動化し、ITサービス・デリバリを効率化する「CA Server Automation」、(2)コンプライアンス対応や自動変更管理を目的とした構成管理プロセスの自動化を行う「CA Configuration Automation」、(3)ITプロセスの自動化やオーケストレーションを行う「CA Process Automation」、(4)ネットワークの設定/構成管理と変更管理を自動化する「CA Network Automation」--の4つのソリューションで構成される。

 各ソリューションの主な特徴は、「CA Server Automation」は、物理・仮想、パブリック・クラウドにまたがり、OSやストレージ・リソース、アプリケーション・コンポーネントなどを自動的にプロビジョニングし、パッチの適用から構成管理まで対応する統合ソリューション。ユーザーによるセルフサービスを実現し、管理負担を軽減する。さらに、それぞれの仮想マシンのトラッキングや課金、レポートも自動化。プロビジョニングを自動化するだけでなく、構成を標準化しワークフローを簡素化することで、常に変化する複雑な仮想環境を効率的に管理するよう支援する。


「CA Server Automation」のセルフサービス画面「CA Configuration Automation」の特徴

 「CA Configuration Automation」は、手間がかかり、ミスを起こしがちなデータセンターの構成管理やコンプライアンス管理プロセスを自動化する。具体的には、稼働しているネットワーク機器やサーバー、OS、アプリケーション、データベース、またはミドルウェアを自動的に検出して構成設定を確認し、そのITサービスに依存するコンポーネントをマッピングする。変更によるインパクト分析を実現し、構成エラーによって発生するリスクを未然に防止する。

 「CA Process Automation」は、異なる性質の組織やシステムを横断するプロセスのマニュアル作業を排除し、そのプロセスを自動化・オーケストレーションするだけでなく、プロセスを標準化することで生産性の向上を支援する。問題の修復やインシデント対応、監査報告や人事採用プロセスなど、ルーチン化しているITプロセスを自動化することでマニュアル作業を減らし、業務効率の大幅向上を実現する。

 「CA Network Automation」は、ネットワークの構成管理や変更管理を自動化することで、人的ミスを回避し、エンドユーザーにネットワークの影響が出る前に不具合を検知し修正する。運用管理者にかかるインシデントの負担を未然に防止し、ネットワークの高い可用性を維持するだけでなく、標準化されたポリシーやコンプライアンスを強化する。

 これら4つのソリューションによって、データセンターの運用管理全体の自動化を実現。これにより、ITサービスをスピーディに提供できるだけでなく、人為的な作業を削減することができ、運用管理者は、より戦略的な業務にフォーカスすることが可能となる。また、構成管理や変更管理におけるマニュアル作業から発生する人的過失を防止し、リスクを回避する。さらに、専門性が必要な業務を自動化し、限られたワークフォースで最大限のパフォーマンスを実現する。

 また、古場氏は、他社の自動化ツールとの差別化ポイントとして、「直感的で容易な構築と運用」、「ベンダーフリー」、「全社導入適用を見据えた価格体系」の3つの特徴を挙げ、「新製品は、特別なスキルを持たない管理者でも、導入や運用が容易に行えるよう設計されている。また、マルチベンダー対応により、特定のハードウェアやハイパーバイザに依存することなく、柔軟な管理を実現する。そして、小規模から大規模までさまざまな環境に導入できる価格体系を採用した」と説明している。

 参考価格(税別)は、標準構成の100物理CPUソケットで1500万円。スタータ・パック(10物理CPUソケット)は250万円からとなる。

 同社では、クラウドサービスを社内外に提供するIT子会社およびITサービスプロバイダを主な販売ターゲットにしており、「グループ会社を多く持つ情報システム子会社」、「クラウドサービスを提供するデータセンター事業者」、「企業内プライベートクラウド環境を効果的に管理する必要のある企業」に向けて、積極的に拡販展開を行っていく方針。「拡販にあたっては、パートナーとの協業体制をさらに強化する。無償トレーニングによるエンジニア育成の加速、セールツールや技術情報の拡充、また共同セールスプロモーションの実施など、パートナーとともにビジネス拡大に取り組んでいく」(古場氏)としている。

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(唐沢 正和)
2011/11/30 06:00