富士通とイオンアグリ創造、イオン直営農場で「農業クラウド」の共同実証実験
イオンアグリ創造株式会社と富士通株式会社は25日、富士通のクラウドコンピューティングを活用したICTシステムをイオン直営農場に導入し、共同の実証実験を12月1日より開始すると発表した。
イオンアグリ創造と富士通は、農産物の生産から加工・物流・販売に至るまでの全行程を「農業クラウド」で一貫して管理することで、農業経営の高度化および生産性向上を実現するための実証実験に取り組む。
実証実験は、イオンアグリ創造が運営する5県7カ所(茨城県、栃木県、千葉県、埼玉県、大分県)の直営農場で、経営の見える化、生産の見える化、品質の見える化の3つの視点から実施。イオンアグリ創造は主に農場の提供とシステムの評価、富士通は主にクラウド、センサー、携帯電話、PCなどを用いたICTシステムの開発と利用環境の提供を行う。
経営の見える化については、農産物の収穫量や出荷情報、作業実績を、従業員がPCや携帯電話で記録することで、圃場(ほじょう)ごとの生産コストや利益を算出・管理する。
生産の見える化については、従業員が携帯電話のカメラを利用して圃場の様子を写真で登録。リアルタイムに確認可能にするとともに、携帯電話のGPS機能により、写真を撮った場所を自動的に記録。また、圃場に設置したセンサーで、気温・降水量・土壌温度などの気象データを一定間隔で収集する。
品質の見える化については、農産物の生産段階における管理基準として世界標準とされる「グローバルGAP(Good Agricultural Practice)」への適合を管理する。
イオンアグリ創造と富士通では、実証実験の成果をもとに「農業クラウド」を発展させ、経営・生産・品質の3つの見える化をすすめる。また、例えば出荷実績と農産物の等級の関係など、複数の視点から見える化した情報を統合・活用することで、農業経営のさらなる高度化および生産性向上を目指し、将来的には農業に関する消費者、小売、流通、気象などの情報をも連携させることで、新たな価値を創出することを目指すとしている。
システム概要図 |