米CA、新クラウドソリューションを多数発表~調達・導入・運用まで支援


 米CA Technologies(以下、CA)は14日(米国時間)、ラスベガスで開催したCA World 2011にて、「CA Cloud 360」「Cloud Commons Ecosystem」「CA Automation Suite for Clouds」「CA Application Performance Management(APM)」「CA CloudMinder」の5つのクラウドソリューションに関する発表を行った。


クラウドへの適用性を検証する「CA Cloud 360」

 CA Cloud 360は、どのアプリケーションやビジネスサービスがクラウドに適しているかを検証する新サービス。CA Serviceチームのコンサルティングと、CA TechnologiesのIT管理製品群の中から選別された製品とが組み合わされた4段階のプロセスを通じて、プライベート/パブリック/ハイブリッドのどれが最適化を検証し、クラウドサービスのライフサイクルプランニングのための可視性・先見性・予測性をもたらすという。

 具体的には、「アプリケーション・ポートフォリオ分析」「キャパシティの予測分析」「アプリケーションとサービスの仮想化」「実稼働環境でのシミュレーション」「サービスレベルのパフォーマンス管理」などを提供する。


クラウドサービスの比較・調達・管理・販売を実現する「Cloud Commons Ecosystem」

 Cloud Commons Ecosystemでは、その内容を拡充し、新たに「Cloud Commons Marketplace」と「Developer Studio」を発表した。Cloud Commons Marketplaceは、クラウドサービスの提供者と購買者を結びつけるマーケットプレイスで、サブスクリプションベースのクラウドソリューション、サービス、コンテンツの比較・調達・管理・販売を可能にする。

 一方、Developer Studioでは、ISVなどの開発側が「CA AppLogic Platform」を使って、プライベート/パブリックの両クラウド環境を考慮したクラウドソリューションを開発できる。クラウドベースのソフト開発プロジェクトにおいて、プランニング・構築・テストを行うための開発ツールも提供される。


仮想環境を迅速に立ち上げる「CA Automation Suite for Clouds」

 CA Automation Suite for Cloudsは、2011年7月に発表されたクラウド環境の構築を自動化するソリューション。物理/仮想インフラやアプリケーションの自動セルフサービス・デリバリを実現するための事前に設計されたワークフローが提供される。さらにサービス利用量を部門、コストセンター、顧客/ユーザーに自動的に関連付ける機能を持つ請求書発行/財務報告書作成エンジンが用意され、固定価格または利用量ベースの価格設定が可能となる。

 今回は新版が発表され、サポートプラットフォームが拡充された。新たに、CA AppLogic Platform、VCE vBlock Infrastructure Platforms、Microsoft Hyper-V、IBM LPAR、Oracle Solaris Zones、VMware Viewなどが追加された。さらに拡張クラウド管理、セキュリティ、オーケストレーション機能が加わり、クラウドの自動化がさらに一元化され、単一のインターフェイスで複数のクラウドを管理できるようになった。


クラウド環境のパフォーマンスを管理する「CA APM」

 アプリケーション・パフォーマンス管理を行う「CA APM」も新版を発表。ハイブリッドクラウド環境などにおいて、不具合を起こしたアプリケーション、ネットワーク、インフラコンポーネントとトランザクションパフォーマンスとを関連付けられるため、ユーザーは技術上のサイロを超えて問題を分離・診断・解決できる。

 CA APMにクラウド・アプリケーション・モニタリング・サービス機能が追加された「CA APM Cloud Monitor」では、クラウドアプリケーションにまで入り込み、エンドツーエンドのトランザクション可視化が可能になる。また、ファイアウォールの外側からアプリケーション性能をテストできるため、ユーザーはSaaSベンダーなどがSLAを満たしているかどうかを素早く正確に検証できるという。


クラウド型のID/アクセス管理を実現する「CA Technologies」

 SaaS型アイデンティティ/アクセス管理(IAM)サービス「CA CloudMinder」ファミリでは、新たに2種類のIAMクラウドソリューション「CA IdentityMinder as-a-Service」「CA FedMinder as-a-Service」を追加拡充した。すでに提供されている高度認証サービスに加え、新たなサービスが提供される。

 CA IdentityMinder as-a-Serviceは、ユーザーが自分のID属性を管理できるように、セルフサービス機能を提供する。パスワードのリセット、リソースへのアクセス要求、およびプロファイルとセキュリティの両方の情報管理を行える。これらにより、堅牢なID管理機能を提供するという。

 一方のCA FedMinder as-a-Serviceは、組織内の権限を与えられたユーザーが別の組織のデータやアプリケーション、クラウドサービスに安全にアクセスできるよう支援する。クラウド、オンプレミスのアプリケーションに対して、連携されたセキュリティドメイン間でのシングルサインオンを実現。SAML 1.1/2.0をサポートし、広範なパートナーサイトのフェデレーションを可能にする。どのような種類の情報をどのような条件下でパートナーと共有するかを指定するポリシー管理機能も備える。

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(川島 弘之)
2011/11/18 12:15