NTT Com、日米間海底ケーブルに次世代通信技術導入、通信容量を10Tbpsに拡張


 NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は4日、次世代光通信技術「デジタルコヒーレント」を用いた太平洋横断ルートにおける100Gbps光通信実験に世界で初めて成功したことを受け、同技術をNTT Comグループが保有する日米間海底ケーブルシステム「PC-1」に2013年半ばをめどに導入することを決定したと発表した。これにより、PC-1の設計通信容量を、現行の3.2Tbpsから約3倍の約10Tbpsまで引き上げる。

 PC-1は、NTT Comのグループ会社であるPC Landingが保有する日米間海底ケーブル。総延長は2万1000kmで、日米間2ルートのリング構成となっている。

 デジタルコヒーレント技術は、偏波多重や位相変調などの変調方式により周波数利用効率を向上させるとともに、デジタル信号処理を組み合わせることで受信感度向上を実現する伝送方式。

 NTT Comでは、10月に行った実証実験で、日米間約9500kmでのデジタルコヒーレント技術を用いた100Gbps光通信に世界で初めて成功。太平洋を横断するほどの長距離で100Gbpsの高速通信を安定的に実現するのは困難と言われていたが、PC-1は中継器の間隔調整や光学特性を考慮した光ファイバーの配置など、ネットワーク設計が工夫されていることから、デジタルコヒーレント技術を商用導入するめどが立ったとしている。

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