日本オラクル、中堅企業向けERP製品「JD Edwards EnterpriseOne」がiPadに対応


 日本オラクル株式会社は26日、中堅企業向けERP製品「JD Edwards EnterpriseOne」をiPadに対応することを発表した。

 「JD Edwards EnterpriseOne」は、財務会計、受発注購買、生産管理、在庫管理、施設管理、CRM、プロジェクト管理、不動産管理など中堅企業に必要な業務機能を網羅したERPパッケージ。多言語、多通貨、各地域特有の規制や帳票に対応したグローバルのビジネス要件も満たしており、グローバルにビジネス展開する中堅企業を支援する。

製品事業統括 アプリケーション事業統括本部 アプリケーションビジネス推進本部 ディレクターの野田由佳氏JD Edwardsの製品ロードマップ

 製品事業統括 アプリケーション事業統括本部 アプリケーションビジネス推進本部 ディレクターの野田由佳氏は、「『JD Edwards EnterpriseOne』は、製品が誕生してから30年以上、変わらない設計理念のもと、グローバルでビジネス展開する企業に向けて優れたTCOで製品を提供することに注力してきた。今後、2018年にかけて3つのAppsメジャーバージョンアップをリリースする予定だが、今回、業務へのiPad利用ニーズの高まりに応えるため、アプリケーション基盤構築ツール『JD Edwards EnterpriseOne Tools』の8.98.4.5バージョンで、急きょ、iPadへの対応を実施した」と、iPad対応の背景を述べている。

マルチタッチスクリーンで直感的な操作が可能

 今回のiPad対応により、「JD Edwards EnterpriseOne」のユーザーは、同製品のすべてのERP機能をiPadから利用することが可能となった。具体的には、iPad内にインストールされているSafariブラウザを利用し、「JD Edwards EnterpriseOne」Webクライアントを稼働。標準オブジェクトだけでなく、追加したオブジェクトもそのままiPad上で動作させることができる。また、マルチタッチスクリーンでiPadの直感的な操作が可能であるのに加え、「JD Edwards EnterpriseOne」のアプリケーション用に設計された独自のジェスチャー操作によりエンドユーザーのオペレーションを支援する。

 さらに、入力属性を自動で判別し、属性にあったキーボード画面を自動的に表示する機能を備えているほか、保守作業現場で必要な付属文書・技術文書・作業指示書などのファイル添付機能、外部Webサイトへの動的な接続、Googleマップアプリケーションとの連携機能などを提供する。気になるセキュリティ面については、「JD Edwards EnterpriseOne」で実装されている標準のセキュリティ環境をサポートしている。

 「今回のiPad対応は、『JD Edwards EnterpriseOne』が単にiPadのSafariブラウザに対応したというだけでなく、すべての業務アプリケーションがWebクライアントとして動作する点が大きな特徴。これにより、例えば営業マンが商談の際に、いちいちPCを立ち上げることなく、iPad上から『JD Edwards EnterpriseOne』のERP機能を活用し、在庫数量や荷姿の確認を迅速に行うことができる。また、企業によっては専用アプリでモバイル対応をしているケースもあるが、『JD Edwards EnterpriseOne』では、標準のToolsの一部でiPadに対応するため、追加投資などをすることなく、すべての機能をモバイル環境に対応することができる」(野田氏)と、「JD Edwards EnterpriseOne」をiPadで利用することのメリットを強調する。

 iPad対応のツール「JD Edwards EnterpriseOne Tools R8.98.4.5」は、サポート契約ユーザーであれば、オラクルのサポートサイト内の「Update Center」から無償ダウンロードすることが可能。同ツールをインストールすることで、「JD Edwards EnterpriseOne」により構築されたERPシステムをiPadから利用することができるようになる。アプリケーションの稼働環境は、バージョンE8.12以上。iOSのバージョンは4.3.3以上となる。

iPad上での「JD Edwards EnterpriseOne」のキーボード表示画面iPad上での「JD Edwards EnterpriseOne」の入荷確認デモ画面iPad上での「JD Edwards EnterpriseOne」の在庫明細照会デモ画面

 なお、プレス説明会では、「JD Edwards EnterpriseOne」のiPad対応デモとして、バーコードシステムとの連携例が紹介された。従来まで、バーコードシステムと連携する場合、管理サーバーを立ててマスターデータを2重管理する必要があった。また、入力されたデータを蓄積し、定期的にバッチで「JD Edwards EnterpriseOne」に返していた。これに対し、iPadを利用した場合は、「JD Edwards EnterpriseOne」のオンライン画面に直接バーコードのデータをリアルタイムに取り込むことが可能になるという。

 デモでは、実際にiPad上から「JD Edwards EnterpriseOne」のERP機能を利用し、iPadの直感的で容易な操作と「JD Edwards EnterpriseOne」用に設計されたジェスチャー操作を用いながら、バーコードシステムと連携した仕入れ先からの入荷確認や在庫明細の照会などが行われた。

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(唐沢 正和)
2011/10/27 09:11