IDCフロンティア、日本HPのボックス型ネットワークスイッチ「HP A Series」を採用
日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は26日、同社のボックス型ネットワークスイッチ「HP A Series」を、株式会社IDCフロンティアが採用したと発表した。ネットワークインフラを仮想化する独自機能「IRF(Intelligent Resilient Framework)」などを利用し、高可用かつスケールアウト可能なネットワークインフラの構築、およびシームレスなデータセンター間連携を実現したという。
クラウドサービス「NOAHプラットフォーム」などを提供するIDCフロンティアのデータセンターでは、ユーザーの拡大やサーバー統合、仮想化の進展などによってサーバー間のトラフィックが急増し、データセンター内のネットワークのスループット拡張が大きな課題になっていた。そこで同社では、「NOAHセルフタイプ」の提供にあわせてネットワーク、サーバー、ストレージすべてを10Gigabit Ethernet(GbE)で接続し、より高度な拡張性と可用性を確保するとともに、複数拠点をシームレスに接続できるネットワークの構築を目指していた。
今回は、このネットワーク基盤を支えるスイッチとして、「HP A Series」が採用された。日本HPによれば、ボックス型スイッチで柔軟なスケールアップ/スケールアウトが可能な点や、10GbEポートを含め幅広い通信ポートをサポートする点、ネットワークインフラを仮想化する独自機能「IRF」により、フラットで冗長性の高いL2ネットワークを実現できる点、VLAN Remappingを用いて柔軟なVLAN設計が可能になる点などが支持されたという。加えて、コストパフォーマンスの高さ、消費電力の低さなども評価されたとのこと。
実際に、東京と北九州のデータセンターへ数十台の「HP A5820 Switch Series」が納入されたが、これらのデータセンターにおいて、従来のネットワークインフラをフラットな構造へ移行し、低遅延のネットワーク環境を実現。スループットも10GbEへの移行で大幅に向上した。
また、省スペースや省エネの推進、および段階的な投資が可能となり、高可用性かつビジネス継続性の高いネットワークを実現。さらには、東京-北九州の両データセンター間を専有の広帯域レイヤ2網で接続し、リングプロトコルのRRPP(Rapid Ring Protection Protocol)機能を組み合わせることで、2つのデータセンター間でマルチリージョン体制を確立した。IDCフロンティアでは、これによって、災害対策や事業継続計画を求めるユーザーニーズに応えられるとしている。