米IBMの新CEOに上級副社長のRometty氏が1月に就任、同社史上初の女性CEO


 米IBMは25日、Virginia M. Rometty上級副社長(54歳)が、2012年1月1日付で社長兼CEOに就任すると発表した。米IBMは今年6月にIT企業として初めてとなる創業100年を迎え大きな話題を呼んだが、その歴史の中でも女性CEOは初めてのこととなる。

 現在の会長兼社長兼CEOであるSamuel J. Palmisano氏は会長職にとどまるとしている。

2012年1月に米IBMの社長兼CEOに就任するVirginia M. Rometty氏(右)と、現会長兼社長兼CEOのSamuel J. Palmisano氏(左)

 Rometty氏は、ノースウエスタン大学にてコンピューターサイエンスと電子工学の学士号(優等)を取得後、ゼネラル・モーターズのエンジニアを経て、1981年にIBMにシステムエンジニアとして入社。IBM Global Insurance and Financial Services Sectorでゼネラルマネージャーとして世界保険市場向けのビジネス戦略、マーケティング、セールス、コンサルティングを担当。その後、IBM Global Services米国担当ゼネラルマネージャーとして、戦略的リーダーシップ、オペレーション、クライアントリレーションを担当した。

 さらにIBM Global Business Services部門で上級副社長を務め、コンサルティング会社大手のプライスウォーターハウスクーパースの統合を成功させた実績が高く評価された。

 Rometty氏は今回の人事について「ビジネスにおいて、IBMを率いるように頼まれること以上の特権はありません。特にこのような時期であればなおさらです」とコメントしている。

 IBMのCEOを退任するSamuel J. Palmisano氏(60歳)は、前任のLouis V. Gerstner, Jr氏から2002年にCEO職を引き継いだ。同氏はPC事業、プリンター事業、ハードディスクドライブ事業などのハードウェアコモディティ事業の撤退と売却を決め、代わりに付加価値の高いソフトウェアとサービス事業に軸足を移す大胆な決定を行ったことで知られる。また、中国やインド、ブラジル、ロシアなどの発展市場に大胆に事業を拡大し、IBMを文字どおりグローバル企業へと成長させた。2008年には「Smarter Planet」構想を発表し、IT技術がビジネスと社会に与える影響について新たな視点を提示したことでも知られている。

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(青木 大我 taiga@scientist.com)
2011/10/26 11:41