秋田市、「スマートシティ情報基盤」を構築へ
秋田市は6日、スマートシティ情報基盤を構築すると発表した。市内全域の社会インフラに関する情報を可視化・最適化する。同事業に参画するのは、アイ・エム・サービス株式会社(IMS)、日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)、伊藤忠商事株式会社(伊藤忠)、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)、 ESRIジャパン株式会社。
秋田市では、エネルギー受給の見える化や再生可能エネルギーの導入、グリーンツーリズムの推進、電子地域通貨導入など、最先端の知見を駆使する多彩なプロジェクトを展開し、都市のスマート化と同時に地域経済の活性化を目指す「あきたスマートシティ・プロジェクト基本計画」を3月に策定した。
この計画を実現するため、さまざまな社会インフラから情報を収集・統合し、分析を行い、政策を決定するために必要な情報を迅速に提供する「スマートシティ情報統合管理基盤」の構築を開始する。
同管理基盤は、市が所有する445施設の名称、住所、延床面積などの基本情報や、各所に設置したセンサーからのエネルギー情報、地図情報を統合管理し、特に重要な情報をダッシュボードに一覧表示する。
2011年度にはまず、5つの施設(秋田公立美術工芸短期大学、秋田市勤労者総合福祉センター、秋田市太平山自然学習センター、秋田市中高年齢労働者福祉センター、秋田市老人福祉センター)において、エネルギーデータの計測・集計・分析環境を構築。2012年度からエネルギー使用状況の見える化やエネルギー削減支援サービスなどを提供し、最適化を図る。
また、445施設の基本情報および電気料金などの請求書データを活用し、改正省エネ法の法廷提出書類に必要なエネルギー使用量の収集・集計や、数値の算出、書類の作成・出力を実現。地理情報システムとも連携して、延床面積やエネルギー使用量、コストなどに応じて各施設を段階的に色分けしたり、密度分布図やグラフ表示などの機能を提供したり、エネルギー管理をはじめとするさまざま意志決定を支援するという。
なお、同管理基盤の構築には、施設のエネルギーデータなどを集約しポータルに一元化する「IBM Intelligent Building Management」を中核として、センサーからのエネルギーデータ処理に伊藤忠の「ecoFORTE ASPサービス」、地理情報システム関連のアプリ開発にESRIジャパンの地図サービス「ArcGIS Desktop/Server」「ArcGIS Online」、基盤インフラにCTCのクラウドサービス「TechnoCUVIC」を活用する。
秋田市では、同管理基盤をエネルギー管理だけでなく、公共施設や道路、橋梁など都市を構成するさまざまなインフラを包括的に管理するシステムとし、将来的には広域の行政サービスを提供する基盤にすることも視野に入れている。