日本HP、IT変革の実現を支援する「Executive Briefing Center」を大島本社に開設

経営層向けにワークショップやデモなどを実施


オープニングセレモニーでのテープカットの様子(写真左から:執行役員 テクノロジーコンサルティング統括本部長の有安健二氏、執行役員 エンタープライズサービス事業統括の村上申次氏、取締役 副社長執行役員 パーソナルシステムズ事業統括の岡隆史氏、代表取締役 社長執行役員の小出伸一氏、執行役員 エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括の杉原博茂氏、執行役員 HPソフトウェア事業統括の中川いち朗氏)

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は5日、ワークショップやデモンストレーションを通じて、企業ごとに異なるIT変革の実現をサポートする戦略的拠点「Executive Briefing Center」(以下、EBC)を、本日より同社大島本社内にオープンすると発表した。顧客企業の経営層に向けた施設となる。

 「EBC」をオープンする市場背景について、日本HP 代表取締役 社長執行役員 エンタープライズビジネス事業統括の小出伸一氏は、「震災後、企業が成長を続けていくためのビジネス課題として、継続的な革新、リソースやコストの最適化、変化に対応できる俊敏性、的確なリスク管理が重要視されている。一方で、本格的なクラウド時代を迎え、こうしたビジネス課題に対するIT要件は、従来型システムからプライベートクラウド、パブリッククラウドまで選択肢が多様化し、考慮すべき要素も複雑化しているのが実情。企業にとっては、それぞれ異なるIT変革の実現に向けて、ビジネス課題とIT要件を考慮した上で、これらを正しく組み合わせて実行していくことが重要な経営課題になりつつある」と説明する。


代表取締役 社長執行役員 エンタープライズビジネス事業統括の小出伸一氏「EBC」が担う役割

 「そこで今回、顧客の経営層まで巻き込み、ビジネス課題を解決するためのIT変革の起点となるべく、新たにEBCをオープンする」と小出氏。「顧客の経営層に向けて、まずはHPのIT戦略を説明し理解してもらう。その後、顧客のビジネス課題の整理、IT課題の明確化を行い、IT課題解決に向けた方針を策定する。そして、最終的には、IT課題解決策の選択・具現化へとつなげていく」と、「EBC」が担う役割を述べた。これにより、同社の推進する、クラウド時代のビジネス環境変化に柔軟に対応できるIT環境「Instant-On Enterprise」への変革を強力にサポートしていく考え。


執行役員 ESSNプリセールス統括本部長の山口浩直氏「EBC」の施設概要

 具体的な「EBC」の施設概要については、執行役員 ESSNプリセールス統括本部長の山口浩直氏が説明した。「EBCには、デモンストレーションルーム12部屋と、ワークショップルーム1部屋(エグゼクティブブリーフィングルーム1部屋)、および最新ハードウェア製品を搭載したラック22本を収納できるマシンルームを用意している。また、エントランスエリアには、60インチ9面の大型ディスプレイやマルチタッチテーブル、情報ディスプレイを設置し、さまざまな情報を効果的に提供していく」という。


60インチ9面の大型ディスプレイマルチタッチテーブル情報ディスプレイ

 そして、これらの施設を活用して、「エグゼクティブブリーフィング」、「ワークショップ/アセスメント」、「デモンストレーション」の3つのサービスを展開する。


「EBC」で利用できるサービスワークショップルームで行われる「HP アプリケーションモダナイゼーション・トランスフォーメーションエクスペリエンスワークショップ」

 「エグゼクティブブリーフィング」は、経営層に向けて、業界トレンド、日本HPの展開する「Instant-On Enterprise」戦略やそれを実現する「Application Transformation」、「Converged Infrastructure」、「Hybrid Delivery」、「Enterprise Security」、「Information Optimization」の5つのソリューションを中心に、最新情報を提供する。

 「ワークショップ/アセスメント」では、経験豊富な同社コンサルタントが顧客とともに、ビジネス課題の整理とそれ対応するIT課題の明確化、およびIT課題解決のための解決方針の整理・提示を行う。「例えばワークショップでは、レガシーシステムからの移行について整理する『HP アプリケーションモダナイゼーション・トランスフォーメーションエクスペリエンスワークショップ』や、クラウドを活用するための戦略やクラウド化に向けた最適なルート開発を支援する『HP クラウドデリバリーワークショップ』など、さまざまなサービスを用意しており、顧客の課題に合わせて提供する」(山口氏)としている。

世界各国のEBCとの連携

 「デモンストレーション」では、ワークショップ/アセスメントにより導き出された解決方針に沿って、顧客が具体的な解決策の選択・決定を行えるよう、マシンルームなどを活用し、ソリューションや製品のデモンストレーションを実施する。「当社では、グローバルカンパニーとして、日本だけでなく全世界に50か所のEBCを展開している。そのため、必要に応じて北京やシンガポール、米国など海外のEBCとリモートで連携し、グローバルのリソースを活用したデモンストレーションを行うこともできる」(山口)と、顧客の課題解決策を具現化するための豊富なデモンストレーションを用意しているという。

 山口氏は、「これらEBCの提供する施設とサービスによって、経営層の悩みをビジネス課題からひもとき、企業競争力を維持・向上するIT変革実現を支援する。そして、EBCを通して、HPの最先端のテクノロジーやソリューションを提案していく。初年度で約5000人の来場を見込んでいる」との考えを示した。

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(唐沢 正和)
2011/9/6 06:00