熊本県益城町の小中学校7校が日本IBMの教育クラウドを導入、校務支援システムで活用
熊本県益城(ましき)町教育委員会は5日、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)の協力で、クラウドコンピューティング環境を活用した「校務支援システム」を構築したと発表した。本年度より、小中学校7校で利用を開始する予定。
今回構築された校務支援システム導入は、校務を情報化し、標準化・効率化を実現することで、教員の本来の業務である「児童生徒と向き合う時間」の増加を目指したもの。小中学校では国内初の事例となる電子指導要録の作成、出欠管理や成績管理、教員間の情報共有などを支援し、休暇や出張の電子申請・決裁を行うグループウェア(ゆうnet)も用意される。
実際に利用するのは、益城町内の小中学校7校で、教員が約200名、児童生徒が約2860名。システムの運用開始にあたっては、2010年11月から小中学校各1校で実証を実施しており、校務支援システム、セキュリティツール活用のための職員研修、勤務時間内に児童生徒と接する時間が向上するか、教員の校務効率化に役立つかといった利用可能性と、セキュリティ確保の検証などを行っている。
なおシステムはクラウド環境を活用しているが、こうした「教育クラウド」は、各校の教員の負担を増加させることなく運用開始できるため、学校での利用に適しているとのこと。今後は校務支援だけでなく、eラーニング、学校経営支援など、さまざまな業務への展開が考えられるとしている。
一方、セキュリティ要件の確保については、情報漏えいの防止やデータ保護を実現するため、日本IBMの大和ソフトウェア開発研究所による先進的な技術を実装した。具体的には、教務支援システムと接続すると、厳しいセキュリティポリシーを適用する保護モードへ自動的に切り替えられる仕組みで、教務支援システムからのファイルのダウンロードはポリシーで制限した特定の領域にしかできず、また、画面コピーやデータのコピーを制限する機能も備えている。