IDSシェアー統合後のソフトウェアAGが方針説明、「完全なBPM」を提供


 ソフトウェア・エー・ジー株式会社(ソフトウェアAG)は15日、1月1日付けでIDSシェアー・ジャパン株式会社(IDSシェアー)を合併完了したことを受け、新方針を説明した。


BPMの上位コンセプト「BPE」を基本メッセージに

戦略と理念。“Customer First”に基づき4つの戦略を展開。BPEの実現を支援する

 ソフトウェアAGと旧IDSシェアーはともにBPM製品を手がける企業。2009年7月に独Software AGによる独IDS Scheerの買収が発表され、国内でも2011年1月1日付けで合併が完了した。ソフトウェアAGはSOAベースの統合プラットフォーム「webMethods」などを、旧IDSシェアーは包括的なBPMスイート「ARIS Platform」を提供してきた。両社が統合することで、BPMの戦略・設計・導入・構成・実行・モニタリング&改善のライフサイクルすべてをカバーする。

 これにより包括的なBPMを提供し、BPMの上位コンセプトとして同社が提唱している「BPE(Business Process Excellence)」の実現を支援する考え。BPEとは、BPMの活動結果を可視化し、繰り返し改善していく仕組みを確立するもの。運用されている改善の仕組み自体を自律的にさらに改善していくアプローチとなる。

プロセスを企業資産として維持・改善していくことがBPM資産化されたプロセスはさまざまな用途で再利用される

BPEは「運用されている改善の仕組み自体を、自律的にさらに改善していけるレベル」と説明



顧客サポートやパートナー戦略を強化

代表取締役社長の須崎弘一郎氏

 代表取締役社長の須崎弘一郎氏は、BPEを当社のメッセージとして、“Customer First(顧客第一)”の経営に努め、それを支える戦略として、1)顧客サポート、2)パートナー戦略、3)製品戦略、4)コンサルティングサービスを進めていくと方針を語る。

 1)顧客サポートについては、旧IDSシェアー製品のサポートサービスをいままで通りソフトウェアAGが提供するほか、今後、「CRM本部の設立」「顧客満足度調査の実施」「ユーザー会の拡張」に取り組んでいく。

 須崎氏は「CRM本部では技術的バックグラウンドを持つスタッフによる支援を行い、継続的な顧客訪問でお客さまとの関係強化に努める。またお客さまの声を製品開発やサービスに反映させるため定期的に満足度調査を実施し、お客さまとパートナー間での交流促進と製品知識の理解を広げるため、ユーザー会に一層力を入れる」と説明。

 2)パートナー戦略としては、チャネル本部を設置し、共同プロモーション、パートナープログラム、製品を幅広く理解していただくため、トレーニングや教育プログラムを通してパートナー支援を強化する。


BPMの前フェーズを“One-Model”で実現

 3)製品戦略としては、ソフトウェアAGと旧IDSシェアーの製品をBPMの全フェーズにまたがって適材適所に配置する。これによりビジネスとITの両方から企業活動の改善を支援できるとする。webMethodsでITプロセスの改善を支援し、ARIS Platformでプロセスモデリングとそのパフォーマンス管理から企業活動の改善を支援する形だ。

 BPE グローバルサービスマネージャーの冨樫勝彦氏は、これを「BPM推進の前フェーズを“One-Model”にて実現する」と説明。そのための両社製品の統合も図り、現在、リポジトリの統合や情報を集約するポータルなどの開発を進めている。将来的には、重複機能を整理し、完全な製品統合を目指すとのことだが、まずは2011年第1四半期中に一部統合された「webMethods 8.2」「ARIS 7.2 Release」を投入する予定だ。

 一方、4)コンサルティングサービスも統合する。従来、ソフトウェアAGはITトランスフォーメーションを中心に、IDSシェアーは業界別プロセスを中心にコンサルティングを提供してきたが、これらをグローバルサービスとして統合し、ビジネス+IT両観点からのさまざまな課題に対応できる体制を整えた。IDSシェアーのSAPコンサルティングも引き続き提供するという。

BPM推進の前フェーズを“One-Model”にて実現する「webMethods+ARIS Platform=完全なBPMソリューション」と訴求

 こうした施策により、2011年度に両社合計の売り上げ30%増を目指していく。

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