旧サンのハードウェアやSolarisの順調な製品開発をアピール~日本オラクル


 日本オラクル株式会社は1月26日、旧サン・マイクロシステムズのSPARC製品群の最新動向に関する記者説明会を開催した。この日は、2010年1月27日(米国時間)に米Sun Microsystemsの買収が完了して、ちょうど1年後にあたる。日本オラクル株式会社からは専務執行役員 システム事業統括本部長 大塚俊彦氏、米Oracleからはポートフォリオ戦略 シニア・ディレクター シェーン・シグラー氏と、旧サン・マイクロシステムズ出身の2人が登場し、最近の製品などについて話した。

 

エリソンCEOの約束通り、開発は加速している

日本オラクル 専務執行役員 システム事業統括本部長 大塚俊彦氏

 大塚氏は、買収完了から1年の旧サン・マイクロシステムズ製品の展開を紹介。新製品のリリースやSolaris 11の新機能の発表などにふれ、「当初、(Oracleの)ラリー・エリソンCEOが投資を維持し加速していくと約束したとおり、開発が加速している」と主張。その具体例として「SPARC Supercluster」やS「SPARC Enterprise Mシリーズ」、「Oracle Exalogic Elastic Cloud」、「Oracle Solaris 11 Express」を紹介した。そして、「次世代エンタープライズコンピューティングにより、圧倒的なビジネス・パフォーマンスの創出と革新的なクラウド基盤で俊敏な経営を実現をもたらす」と語った。

この1年の旧サン・マイクロシステムズ製品の展開次世代エンタープライズコンピューティング

 

5年間のロードマップを公開、さまざまな製品を開発・提供

米Oracle ポートフォリオ戦略 シニア・ディレクター シェーン・シグラー氏

 シグラー氏は、比較的最近発表されたSPARC関連製品としてSPARC Supercluster、SPARC Enterprise Mシリーズ、Oracle Exalogic Elastic Cloud、Oracle Solaris 11をそれぞれ説明した。

 SPARC Superclusterは、2010年にデータベーストランザクションのTPC-Cベンチマークで世界記録を更新したアーキテクチャに基づくサーバー。SPARC T3プロセッサとInfiniBand、Sun FlashFire SSD、ZFSファイルシステムなど、汎用の技術を組み合わせている。2010年12月に発表され、2011年に提供開始予定。シグラー氏は実績のある要素技術により低リスクで幅広いアプリケーションに適用できることを特徴として説明した。

 Mシリーズサーバーについては、最新のSPARC64 VII+プロセッサを紹介。Mシリーズならではの特徴として、これまでの3世代で本体をそのままにCPUだけ入れかえられること、新旧プロセッサの混在をサポートしており、ダウンタイムなしでアップグレードできることが特徴として語られた。またMシリーズを共同ブランドで発売する富士通の執行役員常務 豊木則行氏がビデオレターで登場し、「今後もお客さまに価値を提供しつづけることをお約束する」と語った。

 Oracle Exalogic Elastic Cloudは、Javaアプリケーションのための高性能サーバー。x86プロセッサ版とSPARC T3プロセッサ版がリリースされており、シグラー氏は「ユーザー企業がアーキテクチャを選択できることにより、いままでの知識や投資が生かせる」と説明した。

 OSのSolaris 11については、エリソンCEOの「必ず動作させなくてはいけないものがあるならSolarisが必要だ」という言葉を引用。可用性、パフォーマンス、セキュリティ、管理においてナンバー1のエンタープライズOSであると主張した。Solaris 11は2011年内のリリースが予定されているが、現在評価用に「Solaris 11 Express」がリリースされていることも紹介。さらに、ExalogicやExadataにはSolaris 11 Expressが使われており、すでに「Enterprise Ready」であると説明した。

 最後に、今後5年間の製品ロードマップを示し、「5年間のロードマップはIBMもHPも公にしておらず、われわれだけが公にしている。これを約束どおり実行していく」と語って話を終えた。

SPARC SuperclusterSPARC Enterprise M-シリーズ
富士通 執行役員常務 豊木則行氏Oracle Exalogic Elastic Cloud
Solaris 11今後5年間の製品ロードマップ
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