サイベース、金融市場向けの高速データ分析プラットフォーム「Sybase RAP R4.1」


 サイベース株式会社は25日、金融市場向け高速データ分析プラットフォーム「Sybase RAP - The Trading Edition」(以下、Sybase RAP)の新版「同 R4.1」を発表した。3月末の提供開始を予定する。

 Sybase RAPは、金融市場の膨大なリアルタイムデータと履歴データを保管・分析するためのソフトウェア。最新の市場データを迅速に格納するデータベース「RAPキャッシュ」と、大量データの格納と高速な分析・検索を行う「RAPストア」の、2種類のデータベースから構成され、特定のルールに基づいてコンピュータが自動的に注文を実行する「アルゴリズム取引」などに最適という。

 新版では、まず、RDBMS「Sybase Adaptive Server Enterprise 15.5」のインメモリデータベース機能が、RAPキャッシュの新機能として搭載された。これによって、データを書き込む際のパフォーマンスが大幅に向上している。また、RAPキャッシュのメモリにあるデータをRAPストアに定期的に保存する機能を強化したことにより、最新の市場データを、簡単な設定でさらに高速に保存できるようになった。

 さらに、数値データ型と日付・時間データ型の2種類のデータ型を機能拡張し、小数点以下38けたまでを使用可能としたほか、秒以下の6けた(100万分の1秒)のタイムスタンプデータを保存できるようになり、金融市場で求められる、精度の高いリアルタイムな情報配信を支援するとしている。

 なお、Sybase RAPには、Windowsベースのモデリング・ツール「PowerDesigner」を無償で同梱しており、データベースやオブジェクト指向プログラミング言語のデザインなどを容易に行えるが、今回はこの強化も行われた。具体的には、RAP用拡張モジュールが追加され、データベースのテーブル属性情報から、データ書き込みモジュールの設定ファイル(RAPローダ)を出力できるようになり、仕様変更の多い金融システムにおいても、煩雑なデータベース設計の効率を向上できるとのこと。

 基本価格は、「Enterprise」版が1960万円(税別)/コア、「Standard」版が1120万円(税別)/コア。ただし、マルチコアCPU搭載サーバーで利用する場合に割引価格で提供する「マルチコア・スケーリング係数」の対象製品になっているため、例えばx64 Linuxやx64 SolarisのマルチコアCPU搭載サーバーで利用する際は、それぞれ980万円(税別)/コア、560万円(税別)/コアとなる。

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(石井 一志)
2011/1/26 06:00