レッドハット、RHEL 6.1を5月後半にも提供へ~600もの機能強化を実施


 レッドハット株式会社は20日、Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 6の動向と今後に関する記者説明会を開催。来日した米Red Hat 副社長兼プラットフォーム事業部門代表のジム・トットン氏と、レッドハット日本法人 代表取締役社長の廣川裕司氏が説明した。

 

2011年第3四半期は売上高21%増、日本ではそれ以上

 廣川氏は、2010年をふり返り、「2010年はRed Hatにとってクラウド元年だった」と説明。クラウドBUが設立されたのを皮切りに、IBMや連邦政府などでRed Hat製品が採用され、日本でもNTT Comの「Bizホスティング」や、ソフトバンクテレコムの「ホワイトクラウド」などの基盤として、Red Hat製品が採用されたことを紹介した。

 そうした背景から、Red Hatの2011会計年の第3四半期(9~11月期)の売上高が21%成長、純利益が26%成長したことを報告した。日本国内についても、具体的な数字は非公開ながら、「日本での成長率はワールドワイドを上回った」(廣川氏)ことが明らかにされた。

レッドハット株式会社 代表取締役社長 廣川裕司氏2011会計年の第3四半期(9~11月期)の決算。売上高21%増

 

RHEL 6 SP1は5月後半を予定

 トットン氏は、IT市場やRHELをとりまく現状と、RHEL 6の提供する機能を紹介した。

 同氏は、サーバーOS分野においてメインフレームやUNIXが縮小傾向で、成長しているのがWindowsとLinuxだけであるというIDCの調査データを紹介。IT部門へのコストなどの厳しいプレッシャーから、Linuxへの投資が増えていると説明した。

 そして、インターネットや仮想化、クラウドといったいままでのインフラ変革と、Red Hatの歴史を重ね、Red Hatがそれぞれのイノベーションと結びついて「エンタープライズクラスでの成長を支えるクラウドのエンジン」となっていると語った。

 RHEL 6のリリースについて同氏は「われわれの歴史の中でも最大の発表」であると説明。新機能や機能向上として、スケーラビリティ、ネットワーク、RAS(信頼性、可用性、保守性)、リソース管理、電力消費削減、セキュリティ、仮想化などの紹介し、「あらゆる領域でイノベーションが盛り込まれている」と語った。

 RHELのロードマップの一環として、RHEL 6 Service Pack 1(RHEL 6.1)が5月後半にリリース予定であることも明らかにされた。RHEL 6.1では、600もの機能強化とハードウェア対応、2700のバグ修正などが予定されている。また、情報セキュリティ国際評価基準やIPv6 Ready認定の取得を狙っているという。

米Red Hat 副社長兼プラットフォーム事業部門代表のジム・トットン氏ロードマップ。RHEL 6 Service Pack 1(RHEL 6.1)のリリースが5月後半に予定されている

【追記と訂正(1/21・11時)】
 初出時のタイトルでは、スライド資料での表記にのっとり、RHELの次期版はRHEL 6 SP1としておりましたが、バージョン表記をレッドハットに確認したところ、リリース時はRHEL 6.1になるとのことでしたので、タイトル表記と、一部文中の説明を変更しました。(編集部)

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