日立情報、コンテナ型データセンターを活用したシステム運用サービス

1号機を湘南センタに設置、自社システムの遠隔運用・監視に利用


湘南センタに設置したコンテナDCの第1号モデル

 株式会社日立情報システムズ(以下、日立情報)は7日、コンテナ型データセンター(以下、コンテナDC)を活用したシステム運用サービスを、3月から開始すると発表した。またサービス開始に先立ち、コンテナDCの1号機を、同社の「湘南センタ」(神奈川県足柄上郡)の屋外に設置。自社システムの遠隔運用・監視を2010年12月27日より開始している。

 コンテナDCは、IT機器、電源・空調設備といったデータセンター機能一式を、輸送用のコンテナに収容したデータセンター。屋外に設置できるため、データセンター機能の移設、増設、撤去が容易なほか、消費電力の削減にも寄与可能で、米国では大手IT企業を中心に建設が加速している。

 国内でも、こうした米国の動きを受け、国土交通省では、コンテナDCを建築基準法上の建築物の規制対象から除外することを検討。総務省でも、コンテナDCの消防設備を緩和する検討に入るなど、諸法令の規制緩和の動きが活発化してるという。

 今回同社では、モジュール型データセンター(MDC)で培った高集積・省エネ技術を踏まえ、建築物としての要件を満たしたコンテナDCの1号機を湘南センタに導入し、自社システムの遠隔運用・監視を開始した。コンテナDCは、独自開発の20フィート(約6m)コンテナ型ボックスに必要な一式を搭載し、中堅・中小規模の企業の利用に適したコンパクトなサイズにチューニングを施したもの。システムはリモートで運用・監視され、IT機器と電源・空調設備の連携自動化により、無人運用を実現している。

 また、PUE(Power Usage Effectiveness)も1.3以下と、高レベルの省エネ化を達成したほか、オンサイト、オフサイトを組み合わせたハイブリッド運用も可能で、ネットワークが接続可能な環境であれば、国内外を問わず短期間で設置・利用を行える特徴を持つ。

 なお、日立情報ではこの1号機をモデルに、コンテナDCの構築からシステムの移設、遠隔運用・監視までを、顧客の注文に応じて短期間で提供するソリューションサービスを開発。中堅・中小規模企業や自治体などに向け、営業活動を開始するとしている。

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