日本SGI、CPUとGPUを併用するハイブリッド型HPCサーバー「SGI Prism」


19型ラックに最大63本のサーバースティック

 日本SGI株式会社は27日、CPUとGPUを併用するハイブリッド型HPCサーバーの新ブランド「SGI Prismシリーズ」を発表。第一弾製品として「SGI Prism XL」の販売を開始した。

 演算処理装置としてCPUとGPUを併用するハイブリッド型HPCサーバー。サーバーの形状をスティック型にしてブレード型以上の高密度を実現した「SGI STIXアーキテクチャ」を採用し、GPUによる演算処理の向上と省電力化を両立した製品として訴求する。

 同アーキテクチャは、限られた設置スペースで高性能なGPUコンピューティングを実現するためにSGIが独自開発したもので、高さ8.48×幅14.68×94.3cmのサーバースティックを採用。スティックあたり、最大2基のAMD Opteron、最大4枚のGPU、128GBメモリ、最大4TBの内蔵ディスクを搭載でき、入出力インターフェイスとしてPCI Express x16×4スロットが標準搭載されている。このサーバースティックを2Uの専用エンクロージャに最大3本、標準的な19型ラックに最大63本搭載できる。

サーバースティック専用エンクロージャに3本搭載できる

 CPUとGPUを1対1で接続する設計も特長。CPUとGPU間で入出力の競合が発生しないため、1つのCPUに複数のGPUが接続される一般的なGPUコンピューティングシステムと比べて、GPUの性能を最大限に引き出せる。GPUには「NVIDIA Tesla」と「AMD FireStream」、アクセラレータにはTileraの「TILEncore」を搭載でき、利用用途やアプリケーションに応じて選択可能。スティックごとに異なるGPUも搭載できるため、機能別に柔軟な構成が組めるという。

 なお、GPUとしてAMD FireStream 9350をスティックあたり4枚搭載した場合、標準ラックあたりのGPUコア数は36万2880となり、x86プロセッサを搭載した一般的なシステムと比べて、設置スペースあたり最大720倍の実装が可能となる。

 参考価格は、2Uラックにスティック3本、スティックあたりAMD Opteron 4100シリーズ×2枚ソケット、250GB SATA HDD×2台、8GBメモリ、AMD FireStream 9370×2枚、OSなしの構成で、576万1000円(税別)。出荷は1月下旬からの予定。

 日本SGIでは、「同製品の投入を皮切りに、演算性能がペタフロップの世界に入った科学技術計算分野の高いニーズに応える製品群を提供するとともに、将来的にはペタフロップの1000倍となるエクサスケールコンピューティングの具現化を目指す」としている。

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(川島 弘之)
2010/12/27 11:55