ブルーコート、「ほんの1日で導入可能な」高機能DLPアプライアンス「Blue Coat DLP」


Blue Coat DLPの概要

 ブルーコートシステムズ株式会社(ブルーコート)は23日、DLP(Data Loss Prevention:データ損失防止)アプライアンス「Blue Coat Data Loss Prevention(以下、Blue Coat DLP)」を発表した。高機能を備えながら、容易な導入・運用を可能にしているのが特徴という。販売開始は6月30日から。

 企業での情報漏えいが多発する中で、DLP製品に対する市場の関心は高まっているが、「なかなか導入が進んでいない」(マネージングディレクターのマット・ベネット氏)のが現状だ。この大きな理由としてベネット氏が指摘したのは、「導入や運用に対する負荷が高い複雑な製品か、シンプルである代わりに効果が疑問視され、スケーラビリティもないような、両極端な製品しか存在しなかった」という点だ。

 「Web、メールなどのコンポーネントを購入し、ネットワークのさまざまな場所に展開しないといけないし、ポリシーを変更する場合に、それを各DLPにどう適用するかも問題になっている。1つの製品ではDLPの範囲すべてをカバーできないことが、複雑性を生んでいる」(ベネット氏)。

従来のDLP製品の課題マネージングディレクターのマット・ベネット氏

 そこでBlue Coat DLPでは、こうした問題を解決するため、情報漏えい防止にかかわる機能を統合したほか、導入・運用の簡素化という点に最大限配慮して製品化された。

 根本となるセキュリティ機能では、メール、Webコンテンツなどのネットワークトラフィックや、データベース、サーバーに保存されているデータの流出を防止する機能を1つの製品に統合。構造化・非構造化データの双方をサポートするフィンガープリンティング技術によって、ファイルを正確に分析できるという。

 対応するファイル形式は600種類以上で、ダブルバイトのデータも、もちろんサポート。ICAPによるプロキシアプライアンス「Blue Coat ProxySG」との連携も可能で、SSL暗号化されたトラフィックの精査や、重要な情報の外部への転送防止、暗号化といった機能が提供される。

Blue Coat DLPの特徴データの登録と保護

 管理機能としては、統合管理機能を備えており、中央から集中的に管理することが可能なほか、小規模展開から、全国・全社レベルでの展開までが可能なスケーラビリティを備えているとのこと。

 導入についても、「事前定義したポリシーなどが用意されており、ほんの1日で実際に立ち上げて運用できる」(ベネット氏)簡易性を持つ。ポリシーとしては、一般的なものから、米国医療業界向けのHIPPA(Health Insurance Portability and Accountability Act)など、特定業種のニーズを踏まえたものまで、幅広く用意する。

事前定義されたポリシーの活用などにより、短時間での導入を実現した現在や過去の状況を視覚的に確認可能なダッシュボードも用意されている

 ラインアップは、対象となるユーザー数に応じた3種類が提供される。エントリー向けの「DLP700」は250ユーザー、ミッドレンジの「DLP1700」は5000ユーザー、ハイエンドの「DLP2700」は20000ユーザーにまで対応できる。

 なおブルーコートでは、広く導入されているProxySGとの連携によって最大限の価値を生み出せることから、まず、既存の顧客に対しての訴求を図り、次の段階として、データ保護が大変重要な、金融、法律といった業界を狙う考え。ただし、「日本では、世界的にも厳格な個人情報保護法を持っており、どの業界も情報漏えい対策からは無縁でいられない」(ベネット氏)ことから、最終的には幅広い企業を対象に販売を進めていくとしている。

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(石井 一志)
2010/6/23 13:58