自己暗号化機能ドライブを搭載したSANストレージ「MassCareRAID SED」


MassCareRAID SED
MassCareRAID SEDの特徴

 株式会社ティ・アイ・ディ(TID)は23日、自己暗号化機能ドライブ(SED)を搭載したSANストレージ「MassCareRAID SED」を発表した。参考価格は、300万円前後からで、7月1日の発売を予定する。

 SEDとは、暗号化ASICと暗号化キーの双方をドライブ内に搭載したHDD。HDD自身の機能を用いてハードウェアで暗号化処理を行うため、パフォーマンスに影響を与えない特徴を持つ。

 MassCareRAID SEDでは、このSEDを搭載することによって、暗号化によるパフォーマンスの劣化を排除したほか、容易な運用を実現した。また、ディスクコントローラとHDDの間で認証キーを交換する「Auto Lock Mode」を搭載。認証キーの異なるコントローラにHDDを挿入しても復号が不可能なことから、より高度なセキュリティ機能も提供できるという。

 さらに、HDD廃棄時の暗号キーを変更することで、中身のデータを復元できないようにする「Instant Secure Erase」機能もサポートし、安全かつ低コストでのHDD廃棄を実現した。

 すでに、VMwareやHyper-V、Xenといった仮想サーバー環境では動作確認済みで、仮想サーバーの外付けストレージとしても利用でき、複数の仮想サーバー環境のデータを集中的に格納しても、暗号化が施された安全なストレージとして運用可能としている。

 HDDは、500GBの2.5型SAS HDDを筐体内に24本内蔵可能。SASのデイジーチェーンによるJBOD拡張にも対応し、最大4台、HDD120台を増設できる。また、信頼性についても配慮されており、コントローラ、冷却ファン、電源はすべて二重化。外部接続用のインターフェイスとして、コントローラ1つにつき、4Gbps FCを2基搭載する。RAIDは0/1/3/5/6/10/30/50/60をサポートした。

 TIDでは、ニアライン用途を中心に、アーカイブや一部オンライン用途での活用を視野に入れているとのことで、重要なデータを多く抱える、製造業などを中心に販売を進める考え。売り上げは、初年度に1億円程度を見込んでいる。

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(石井 一志)
2010/6/23 11:00