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トレンドマイクロの2016年事業戦略、「次世代の環境に対応したセキュリティ対策を」

 トレンドマイクロ株式会社は24日、2016年の事業戦略発表会を開催、同社 代表取締役社長 兼 CEOのエバ・チェン氏が「サイバー攻撃はよりターゲットに特化するなど洗練されてきており、脅威の環境が変化してきている。また企業システムも、仮想化が普及したことはもちろん、クラウドと既存インフラとのハイブリッド環境が進むなど、大きく変わりつつある。こうした変化の中、セキュリティ対策も次世代の環境に対応していなくてはならない」と述べた。

トレンドマイクロ 代表取締役社長 兼 CEO エバ・チェン氏

 チェン氏のいう次世代のセキュリティ対策とは、サーバー、ネットワーク、そしてユーザーという3つのレイヤーに対して最適化された多層的なセキュリティ対策のことだ。まずサーバー面では、「仮想化やクラウドなど、自動的に実装や運用が可能な環境に最適化し、状況に合わせた防御を行う必要がある」とチェン氏。また、ネットワーク面では、高度な驚異を検知してブロックすることに加え、外部とのトラフィックだけでなく、いわゆるEast Westトラフィックと呼ばれるサーバー間通信も監視すべきだとする。また、ユーザー面においては、モバイル化やソーシャル化が進む中、アプリコントロールや挙動監視、マルウェア対策、暗号化など、「それぞれのユーザーの行動によって技術を組み合わせつつ保護していかなくてはならない」としている。

 「トレンドマイクロでは、それぞれのレイヤーに最適化されたソリューションをそろえている。また、これらのソリューションを連携させ、セキュリティ対策における防御・検知・対処のサイクルを回すというコンセプト『Connected Threat Defense』の下で、次世代型セキュリティ対策を実現させている」とチェン氏は述べた。

次世代型セキュリティ対策について
新たなコンセプト「Connected Threat Defense」で次世代型セキュリティを実現

 日本市場におけるビジネス戦略については、トレンドマイクロ 取締役副社長の大三川彰彦氏が説明。基本方針として「グローバルのアライアンスパートナーシップと国内のパートナー協業を融合し、顧客環境に最適なセキュリティを展開する」ことを挙げた。この基本方針の下、「自社製品間および他社製品との連携を進めること、運用監視サービスを拡充させること、そしてユーザー企業に対するアプローチを強化することに注力する」としている。

トレンドマイクロ 取締役副社長の大三川彰彦氏
日本での法人向けビジネス戦略

 サーバー、ネットワーク、ユーザーという各レイヤーにおける戦略としては、まずサーバー面で「クラウド基盤の保護を強化するため、国内大手ベンダーとのクラウド協業を推進するほか、グローバル仮想化ベンダーと国内での連携を進める。また、大手クラウドベンダーと協業し、クラウドセキュリティの市場浸透を加速させたい」と大三川氏。すでに国内大手ベンダーのシステムにおいてトレンドマイクロの総合サーバーセキュリティ対策製品「Trend Micro Deep Security」が装備されているほか、VMware NSXとDeep Securityを組み合わせたソリューションも展開しているという。

 ネットワーク面でも、他社製品との技術連携を推進する。同社のネットワーク型脅威対策製品「Deep Discovery Inspector」で検知した驚異を、他社製品で防御するようなAPI連携を進めるほか、他社のSIEM(Security Information and Event Management)製品や運用管理製品でログを相関分析し、潜伏した驚異を早期発見するという。また、ネットワーク仮想化技術を持つベンダーと連携し、同技術を用いた遮断、検疫システムの開発に取り組むとしている。さらには、3月に買収を完了したばかりのTippingPointのビジネスを国内でも拡大させたい考えだ。

 ユーザー面では、「従来型の製品と次世代技術を連携させ、最新脅威への対応能力を向上させる」と大三川氏。また、クラウド型総合ゲートウェイセキュリティアプライアンス「Cloud Edge」の製品ラインアップを拡充し、中小規模環境のサイバー攻撃対策強化を推進するほか、多様化するサービスに対応するため、クラウドアプリケーション向けセキュリティサービス「Trend Micro Cloud App Security」の対応サービスを拡張していくとした。

 チェン氏は、「トレンドマイクロのソリューションは、包括的な次世代セキュリティ対策に対応している。2015年にこのソリューションを完全に整えたので、2016年は次世代セキュリティ戦略を積極的に推進する年だ」と述べた。

赤字の製品は2016年にアップデートが予定されている

(藤本 京子)