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NEC、4月1日付で新野副社長が社長に昇任 遠藤社長は会長に

社会ソリューション事業に注力体制を継続することを強調

 日本電気株式会社(NEC)は25日、2016年4月1日付で、代表取締役 執行役員副社長の新野隆氏が、代表取締役 執行役員社長兼CEOに就任すると発表した。代表取締役 執行役員社長である遠藤信博氏は同日付で代表取締役会長に、取締役会長の矢野薫氏は取締役に就任する。

 遠藤氏は社長に就任してからの6年間に2回の中期経営計画を実行し、現在は「2015中期経営計画」実行の最終年度となっている。2016年度から新しい中期経営計画を実施することから、「この6年間で苦労してNECの成長基盤を作ってきた。これが今後引き継がれていかねばならない。それができる人こそ、バトンタッチできる人であろうと考えた」と説明。自身が進めた、社会ソリューション事業に注力するという方向を継続することの重要性を強調した。

 12月に社長交代を発表した理由も、「新しい中期経営計画を策定するにあたり、社内外にそれを実行する人が誰かを示す必要があった」と、新野新社長体制での中期経営計画策定を進めるためだと説明した。

代表取締役 執行役員社長の遠藤信博氏

 新社長となる新野氏は、遠藤氏とは1歳違いの1954年生まれ。京都大学工学部を卒業後、1977年にNECに入社した。「33年間、金融ソリューション営業をずっとやってきた。2010年からは経営マネジメントチームの一員として、経営に携わってきた。これだけの規模があるNECを一人ですべて支えるのは難しい。『面の経営』によって経営を行っていきたい」と社長としての抱負を述べた。

 遠藤氏は2010年4月に代表取締役 執行役員社長に就任したが、「私が社長に就任した当時は、(NECにとって)決して良い時期ではなかった。その中で2回の中期経営計画を策定し、社会ソリューション事業に注力するという方向性を打ち出した。さらにグローバル競争力を持つ、財務基盤の強化という3点を注力していくべきものとして社内体制を整備した。やり残した感はあるが、企業は継続していくことが重要なことであり、そのためにトップとして行動して示すことが必要。新野氏は私の右腕として経営判断、実行をしてくれている。次期中経の柱として、力を発揮してくれると信じる」と、新野氏が次期中経を実践する経営トップとしてふさわしいという見方を示した。

次期社長となる、代表取締役 執行役員副社長の新野隆氏

 遠藤氏と新野氏の年齢差は1歳。遠藤氏が社長に就任した際には、2010年まで社長をつとめた矢野薫氏(現会長)から10歳若返る人事だったことに比べ、ほぼ年齢差がない社長交代となる。

 この点について遠藤氏は、「これまでのNECでは、前社長が進めてきたことを引き継がないことが多かった。私は6年間、社長として経営を行う中で、苦労してNECの基盤作りを進めてきた。この方向性を次期社長が引き継いでいかなければと考えた」と、若返りよりも、自身が策定した現在のNECの方向性継続を優先したと説明した。

 遠藤氏は新野氏について、「自分の右腕となって、経営判断、実行をしてくれた」と紹介。新野氏は2012年に代表取締役 執行役員副社長兼CSO兼CIOに就任し、遠藤氏とともに現在の事業方針を決定した、経営マネジメントチームをリードする立場にあった。また、新野氏自身が「社長以外のマネジメントチームと週に1回、木曜日に出席できるメンバーで昼食会を開き、率直な意見交換、悩み相談などを行ってきた」とマネジメントチームを支える役割を果たしてきたという。

 その立場から、新野氏自身が遠藤社長率いる経営チームの一員としてNECをリードしてきた立場から、「ONE NECとよく言うものの、全社を展望する立場になってみると事業ごとに縦割りの文化があり、ONE NECとはなっていなかった部分がある。社会ソリューション事業に注力するという方向性のもと、NECが一つになって社会貢献を実現しようとトップマネージメント12人から実践してきた」を社会ソリューション事業に注力する方向性を継続する。

 次期中期経営計画の内容については、現在策定中ということで「内容は現在作成しているところ」とした。が、「成長のために注力する事業として、ビッグデータ、セキュリティ、SDNなどいろいろと模索しているが、もう少し絞り込みを行い、どんな企業と提携し、どう展開するのか。柱となる事業はどこかなどを明確化する必要がある」と注力事業の絞り込みを行うことを示唆した。

 さらに、ONE NEC実現のための10万人のグループ社員の業務改革の推進をさらに進める。「まだ、部分最適にとどまっている部分がある。さらに全体最適となるよう、マネジメント主導で実施する必要がある」(新野氏)。

 NECが持つ技術による価値・創造という点についても、「良い技術はあるものの、グローバルに価値創造するという部分では足りないところがある。新たな価値提供ができるようなビジネスモデルをどう構築していくのかは課題」と言及した。

 自身がこだわった「面の経営」については、「これまではビジネスユニット長が自分のビジネスユニットの成長だけを考え、NEC全体の成長という視点が欠けていた。ビジネスユニット長であっても、社長と同じ目線で徹底的に議論を行い、ベクトルを合わせることができるようになり、トップマネージメントチーム全員が同じ方向を見ることができるようになった。集団経営とはちょっと違う、チームでの経営ができる体制」だと説明した。

 新野氏に社長交代が告げられたのは数カ月前。「数カ月前に、遠藤さんから推薦するよと言われ、えーっと思った(笑)。そして最近になって、決まったよと言われ、正直なところ驚いた。私は、遠藤さんからバトンタッチされるのは、ずっと若い人だと思っていた」と、自分が社長となることは想定外だったことを明らかにした。

(三浦 優子)