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さくらインターネットとテックビューロ、ブロックチェーンの実証実験環境「mijinクラウドチェーンβ」を無償提供

 さくらインターネット株式会社とテックビューロ株式会社は16日、さくらインターネットが運営する「さくらのクラウド」上で、テックビューロが開発するプライベートブロックチェーンのクラウド化技術「mijinクラウドチェーン」の実証実験環境「mijinクラウドチェーンβ」を、2016年1月から無料で提供すると発表した。

 「mijin」は、クラウド上や自社データセンター内に、企業内や企業間で利用可能なプライベートブロックチェーン環境を構築できるプラットフォーム。既存のデータベースや勘定システムを置き換えてコストを削減すると同時に、改ざん不可能なセキュリティ環境が構築でき、実質ゼロダウンタイムを実現する。「mijinクラウドチェーン」は、mijinをクラウド上で利用できるようにしたPaaS(Platform as a Service)。

 実証実験環境の「mijinクラウドチェーンβ」は、16日から申し込み受付を開始し、2016年1月から順次提供を開始。利用者は、プライベートブロックチェーンをAPI経由で自由に使用することができ、自社サービスやアプリケーションなどに無料で使用できる。

 さくらのクラウドの東京リージョンと石狩リージョンを活用し、利用者には地理的に分散した合計4台のmijinノードを提供。1秒間あたりのスループット上限の制限以外は、2016年に提供予定の「mijinクラウドチェーン(有料)」と同等で、その仕様は金融機関においても使用可能な水準だとしている。

 商用アプリケーションにも利用可能だが、実証実験は2016年6月末に終了を予定しており、実証実験終了後も継続して利用を希望するユーザーには、2016年5月に「mijinクラウドチェーン(有料)」への移行手順を案内する予定。

 さくらインターネットでは、プライベートブロックチェーン環境が、実用レベルのクラウドサービスとして一般向けに無料で提供されることは世界初だとして、実証実験環境の提供を通じて、幅広い分野でのプライベートブロックチェーンの利用促進に貢献することを目指すとしている。

三柳 英樹