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トレンドマイクロ、HPからTippingPointを買収へ

次世代侵入防止システムと侵害検知を融合

 トレンドマイクロ株式会社は21日、米Hewlett-Packard Company(HP)のセキュリティ事業の一部であるTippingPoint部門の買収に関して、正式契約を締結したと発表した。取得金額は約3億ドルで、セキュリティ技術、知的財産、業界の専門知識に加え、多くの顧客を取得するとのこと。またトレンドマイクロは、今回獲得した資産を融合したネットワークディフェンスユニットを設置し、3500以上の企業ユーザーにサービスを提供するとした。買収は2015年第4四半期末までに完了する予定。

 ネットワークベースの侵入防止システムを提供してきたTippingPointは、2004年に4億3000万ドルで米3Comに買収され、その後2009年に3ComがHPに買収されたため、HP内の一事業として存続してきた。

 トレンドマイクロでは、今回の事業取得により得た侵入防止機能と侵害検知機能を融合することで、巧妙化された攻撃を阻止するための多層防御によるアプローチを開発する考え。このソリューションでは、不正アクセスが発生したとしても、ネットワークがさらなるダメージを受ける前に、直ちにエクスプロイトを検知し、リスクを低減できる。

 また、今回の買収にはTippingPointのセキュリティに関する専門チーム「Digital Vaccine Labs(DVLABS)」も含まれている。トレンドマイクロは、これら多くの研究者の専門性と技術をTrend Micro Smart Protection Networkやスレットリサーチチームに融合させることで、セキュリティソリューションの強化を狙う考えだ。

 なお2014年以来、トレンドマイクロとTippingPointは戦略的パートナーシップを結んでおり、HPとトレンドマイクロでは、今後も引き続きパートナーシップを強化する意向。両社は再販、管理サービス、OEMのほか、セキュリティインテリジェンス、アプリケーションセキュリティおよびデータセキュリティにおける戦略的パートナーシップを結んでいくとした。

石井 一志