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NEC、バックアップシステムの拠点集約運用や高速化を実現する「iStorage HSシリーズ」新製品

 日本電気株式会社(NEC)は17日、バックアップシステムの拠点集約運用に向けた機能や、高速化を実現したストレージ「iStorage HSシリーズ(HYDRAstor)」の新製品の販売を開始した。出荷日は10月30日。

iStorage HS8

 新製品では、複数拠点からのバックアップを1か所に集約可能にするバックアップシステムをプライベートクラウド型で構築するのに適した「クラウドバックアップソリューション」として、オプション機能「High Speed Data Transfer option」を提供。バックアップサーバー側で重複排除を実施し、iStorage HSシリーズ専用の高速な通信方式を活用することで、回線コストおよびバックアップに必要な時間を大幅に削減する。

 また、高速フルバックアップソリューション向けのオプション機能として「Open Storage Suite Option」を提供。Symantecのバックアップソフトウェア「NetBackup」とiStorage HSシリーズを連携させるソフトウェアオプションで、従来のフルバックアップ運用を変更することなく、初回のフルバックアップ以降は自動で差分データのみを転送し、iStorage HSシリーズ内で新たなフルバックアップを自動合成することにより高速なバックアップ運用を実現する。

クラウドバックアップソリューション構成イメージ

 処理性能については、通信・データ圧縮処理機能とデータ保管機能を搭載した「ハイブリッドノード」の処理性能を、従来機比2倍に向上。NEC独自のグリッドストレージ技術を活用し、データ保管機能に特化した「ストレージノード」と合わせて最小1ノードから最大165ノードまで拡張可能で、最大構成時では従来機比2.8倍の論理容量103PB(20倍圧縮時。物理容量は7.9PB)を可能とした。

 基幹システムやビッグデータ活用のために長期保管が求められるシステムに向け、複数のノードに分散してデータを保存することで、多重障害に備える分散冗長配置技術を搭載。また、1ノード構成でコストを抑えた導入を実現するシングルノードモデル「iStorage HS3-50」は、従来機比で処理性能を1.5倍に向上させた。

 製品の最小構成価格(税別)は、シングルノードモデルのiStorage HS3-50(8TB)が298万円~、スケールアウトモデルのiStorage HS8-50(12TB)が900万円~。増設ハイブリッドノードが2400万円。増設ストレージノードが1450万円。オプション機能のクラウドバックアップソリューションは338万円~。高速フルバックアップソリューションは338万円~。

三柳 英樹