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ダイワボウとMS、共同でWindows Phone含むモバイルデバイスをサポートする「Windows モバイルビジネスセンター」開設

 ダイワボウ情報システム株式会社(DIS)と日本マイクロソフト株式会社は28日、中堅・中小企業および教育市場のICT利活用促進を目的とした専任組織「Windows モバイルビジネスセンター」を設立した。

(左から)日本マイクロソフト株式会社執行役コンシューマー&パートナーグループOEM統括本部長の金古毅氏、同社代表取締役社長の平野拓也氏、ダイワボウ情報システム株式会社代表取締役専務の安永達哉氏、同社取締役販売推進本部長の松本裕之氏

 同センターは、両社が2011年に設立した「Windows タブレット推進センター」を拡張したもの。中堅・中小企業および教育市場における、Windowsタブレット/スマートフォンを含むWindows搭載モバイルデバイスの導入を支援する。また、同日よりユーザーからの問い合わせに対応する専用窓口を開設したほか、レンタルパッケージの提供、日本全国でのハンズオンセミナーの実施、ワークショップ/トレーニングの提供、案件内容やニーズに応じたコンサルティングの提供を行う。

 年度内にはマイクロソフト製品の利活用シナリオ/ソリューションを創出するとしており、Office 365をはじめとしたクラウド製品を提供するほか、モバイルデバイス管理サービス「Microsoft Intune」の提案・サポート、2016年1月提供開始予定のクラウド専用ポータルによる、デバイスからクラウドサービスまでの一元販売・管理を手がける。

2011年設立の「Windows タブレット推進センター」を拡張
専用相談窓口のほか、レンタルパッケージやワークショップなども展開し、Windows Phoneなどの利活用を促進する

 日本マイクロソフトは、同センターに対して、Windows Phoneに関する技術情報の提供や営業支援を実施。ハードウェア/ソリューションを導入・検討しているユーザーへの協調営業を行うほか、協業を通じた営業ツール/コンテンツを提供する。また、Windows Phoneの製品開発パートナーリクルーティングと開発支援を行い、マイクロソフト製品の利活用シナリオやソリューション立ち上げの支援を行う。

 同センターは主に都内で展開するが、段階的に全国約90カ所のDIS販売拠点および日本マイクロソフトが持つ拠点にて、モバイルデバイス体験プログラムを提供する。なお、Windows タブレット推進センター時代は5人の専任スタッフで対応していたが、今回のセンター開設にあわせ人員を12人に拡張している。さまざまなサービスの展開にあわせて、各地域にも人員を配置していくとしている。

 取り扱いを開始する主なデバイスは、Windows Phone 8.1を搭載したマウスコンピュターの「MADOSMA」やフリーテルのWindows Phone端末など。なお、今回の発表会では、Windows Phoneの新機種についての発表はなかったが、年末から年始にかけてWindows 10を搭載したモバイルデバイスがリリースされるとしており、順次取り扱いを開始するとしている。

 なお、現時点ではWindows 8.1ベースのモバイル/タブレットを想定したシナリオを提案し、Windows 10の情報が出そろったタイミングで段階的に移行するという。特にWindows 10のモバイルは、MSと共同で準備を進めつつ、SaaS型クラウドアプリケーションといったOSの影響が少ないところからユーザーに訴求するとしている。

マウスコンピュターの「MADSMA」やフリーテルのWindows Phoneデバイスを取り扱う
ハードウェアだけでなくクラウドサービスなども含めながら、マイクロソフトのエコシステムを一元的に提供する

Windows 10の登場でスマートフォンにも注目が集まる

 DISでは、Windows タブレット推進センターの開設以来、一貫してWindowsタブレットのユーザーサポートを提供。その結果、2014年にはWindows XPリプレースからの反動を受けることなく法人企業でのタブレット導入を進められたという。現在、国内法人向けタブレット市場におけるWindowsのシェアは25%程度だが、そのうち半数となる35万台をDISが占めている。また、モバイルファーストとして、法人のスマートフォン活用を促進し、MVNO事業や、SIMフリーデバイスにも参入。SIMフリースマートフォンは2014年時点で18.2万台を販売している。DISでは、Windowsモバイルデバイスの販売目標を今後3年間で200万台と見据えている。

 日本マイクロソフト代表取締役社長の平野卓也氏は、ユニバーサルプラットフォームであるWindows 10の登場で、スマートフォンにも注目が集まってきており、「ユーザーだけでなく、パートナーやメーカーからもいろいろな問い合わせをいただいており、話も具体的に進んでいる」と述べた。また、「現在の企業ではさまざまなプラットフォームが使われており、企業はデバイス管理やセキュリティに課題がある。管理・運用・生産性やコストマネジメントが大きなトピックだが、それにしっかり対応したい」として、今回のDISとの強力なパートナーシップにより、ユーザーに真の意味でのWindowsのエコシステムを提供することで、企業の課題解決に貢献すると述べた。

ダイワボウでのPC出荷台数。2014年はWindows XPリプレースのあおりを受けて80万台減少している
一方、WindowsタブレットはXPリプレースの影響を受けることなく堅調に推移しており、国内の法人向けWindowsタブレットの販売シェアはDISが50%に達する
日本マイクロソフトの説明では、2015年には法人向けタブレットデバイスのシェアがiOS/Android/Windowsでキレイに三等分されるとしている
中小企業/文教市場では、マーケットの拡大にともない、リセラー側のビジネスモデルの変革、ユーザーの新たなプラットフォームへの対応、メーカーの未開拓の販売チャネルの開拓などが課題として挙げられるとしている

 DIS代表取締役専務の安永達哉氏は、同センターについて「これまで培ってきたWindows タブレット推進センターの機能に加え、スマートフォンのビジネス活用の支援のほか、全国の法人ユーザーに最新のソリューションを提供する」と説明。また、「Windowsデバイスは、企業導入済みの既存資産と親和性が高く、国内法人市場のIT化を加速させる強力なプロダクトになると確信している」「日本の企業のほぼすべてがWindowsプラットフォームを利用している以上、開発やセキュリティの合理性も含め、シームレスな環境を構築できる」とし、同センターがそのスピードを高める役割を担うと述べた。

 DIS取締役販売推進本部長の松本裕之氏は、「モバイル市場やデバイスの多様化、クラウドサービスの普及、SIMロックフリーなど市場変化が進み、ホワイトカラー以外にもブルーカラーなど非IT企業/部門のイノベーションが加速する。ユーザーニーズも多様化し、サービスもこれまでとは比較にならないほど選択肢が広がる」と述べた。また、「モバイル製品の品ぞろえ、DISが得意とするワンストップサービスの提供、チャネル展開、付加価値ロジスティクスなどを、Windows モバイルビジネスセンターと組み合わせることで、高品質なサービスを提供する」とした。

デバイスの多様化やクラウドの普及にともない、非IT市場でもこれらデバイスやサービスが普及するとしている
DISでは、マルチベンダーとして周辺機器やソフトウェア、クラウドサービス、MVNOサービスなど幅広く提供しており、導入サービスやタブレット、モバイル、スマートフォンなどのハードウェアのキッティング、保守などをすべて提供できるワンストップサービスをアピールしている

山川 晶之