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「楽しく、かっこよく、稼げる農業」実現へ――、佐賀大農学部、佐賀県、オプティムが三者連携協定を締結

 佐賀県生産振興部、国立大学法人 佐賀大学農学部、株式会社オプティムは27日、農業IT分野において三者連携協定を締結したと発表した。IoT、ドローン、ネットワークカメラ、ウェアラブルデバイスなどを利用した農業のIT化において研究開発を促進し、知財の構築や、新しい産学官のオープンな枠組みの構築などを目指す。

 佐賀大学農学部および佐賀県では、農業を取り巻く、多くの担い手の高齢化や減少、農業所得の伸び悩み、有害鳥獣被害といった課題に対処し、佐賀県の農業を発展させるため、農業へのIT活用に関する研究開発を進めていた。

 一方のオプティムでは、PCやスマートフォンのみならず、IoT、ドローン、ネットワークカメラ、ウェアラブルデバイスなどの、「遠隔制御技術」「画像解析技術」「ビッグデータ解析技術」の研究開発を進めてきた。

 こうした中、産官学の三者による連携協定を行うことにより、おのおのが持つ技術の融合を図り、技術開発の効率化・加速化・高度化と、現場技術として生産者に着実に適用できるものが構築されることを期待し、今回の締結に至ったとのこと

 三者では、この取り組みにあたって、佐賀県が保有する農業試験研究機関の圃場、および佐賀大学が保有する圃場のすべてで、ドローン、IoT、ウェアラブル端末を活用し、あらゆるデータをクラウドに蓄積する考え。

 ドローン活用においては、上空から農地をデジタルスキャニングし、ビッグデータ解析サービス「SkySight」でデータを蓄積。蓄積されたビッグデータを解析して病害虫の早期発見や生育管理を手軽に行えるようにすることで、人材不足の解決と、効率的な農作業(施肥、雑草・害虫・鳥獣害防除、収穫)を目指して研究・実践を進める。

 また、農業が直面している、「就農労働者の減少」「後継者不足」「技術伝承の難しさ」といった課題を解決するために、遠隔作業専用スマートグラス「Remote Action」などのウェアラブル端末を活用して技術支援を行う。こうして、農家の方々へ必要な情報を発信するツール、プラットフォームを提供し、“世界で一番楽しく、かっこいい”農業ができる地域を目指すとした。

 あわせて、IoTを活用して作物の状態管理を行うことにより、より高品質な農作物の生産を行い、“安心でおいしい食品を届ける世界No.1”県を目指す。

 このほか三者では、農業IT分野における知財創造を実施し、その成果としての特許取得も行う意向。さらに、農業の学術知見とITテクノロジーを身につけた人材教育も実践するとのことで、オプティム 代表取締役社長の菅谷俊二氏が佐賀大学特任教授に就任し、ITテクノロジーやベンチャー起業をテーマとした講義を実施する予定だ。

石井 一志