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フュージョン、柔軟な構成に対応した中・大規模コンタクトセンター向けシステム

 楽天グループのフュージョン・コミュニケーションズ株式会社(フュージョン)は29日、中・大規模コンタクトセンター向けシステム「FUSION Multimedia Contact Center(FMCC)」を提供開始すると発表した。

 「FMCC」は、独自のコアアーキテクチャ「iMATRIX(アイマトリックス)」をベースに、さまざまな機能をモジュール化したコンタクトセンターシステム。IP-PBX、IVR、CTI、ACD、通話録音、エージェントマップ、電話営業、ソーシャルメディアやチャットなどによるマルチメディア連携など、多様な機能を備えている。

 こうした機能をモジュール化することで、機能単位でのサーバー増強が可能で、既存のサービスに影響を与えずメンテナンスできる「グレースフルシャットダウン」機能など、メンテナンス時の影響を最小限に抑え、安定したシステム運用を行える仕組みも実装した。

 また、マルチテナント、マルチアカウントにも対応し、クラウド、オンプレミス、ハイブリッドの、それぞれの環境に適した柔軟なシステム構成に対応。複数の企業・事業部・拠点など、分散するコンタクトセンターを1つのシステムで管理できるので、組織体制に合わせた運用も行える。シングルインターフェイスで一元管理や階層管理することにより、運用管理者の業務負荷軽減も見込めるとした。

 このほか、フュージョンが提供するIP電話サービス「FUSION IP-Phone」を利用する場合、直収が可能なため、余分なネットワーク機器は不要となり、導入コストを抑えられる点もメリット。通信事業者として、050、0120番号の提供から「FMCC」のシステム、電話機の手配までワンストップで提供し、コンタクトセンター運営業務をトータルにサポートするとのこと。

 なお、フュージョンではこうした特徴を持つ「FMCC」をベースに、他製品を組み合わせ、中・大規模コンタクトセンターに向けたサービス展開を行う考え。具体的には、

・画一的なSaaS提供ではなく、一部サーバーのオンプレミス環境設置など、条件にあわせた柔軟なシステム構成をクラウドサービスとして提供する「FMCCプライベートクラウドサービス」、
・オンプレミス環境へのFMCCの導入を支援するほか、通信キャリア品質の保守・監視サービスなど、オプションサービスも用意する「FMCCシステム提供と保守・監視サービス」
・FMCCと基幹システム連携などのカスタマイズ、SNSなどを利用したオムニチャネル化、機器や回線の提案などを含めた「システムインテグレーションサービス」

などを提供するとしている。

石井 一志