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国内テープストレージ市場、2014年は前年比大幅減も需要拡大の兆し~IDC Japan予測

 IDC Japan株式会社は6日、国内テープストレージ市場の2014年の実績と2019年までの予測を発表した。2014年の国内テープストレージ(テープドライブとテープオートメーションの合計)の売上額は前年比25.9%減の103億1200万円と推計。従来環境でのバックアップ用途の需要は減少する一方で、膨大なデータの保存領域では需要拡大の兆しが見え始めているとしている。

国内テープストレージ市場 売上額実績および予測: 2012年~2019年(出典:IDC Japan)

 2014年の売上額のうち、テープドライブは前年比25.3%減の27億4200万円で、サーバーへの装着率の低下により、単体テープドライブ市場は減少している。テープオートメーションは前年比26.1%減の75億6900万円で、従来からのバックアップ用途では、ディスクベースへの投資シフトの影響を受け、需要が減少している。

 国内テープストレージ市場は前年比10%以上の減少が続いているが、IDC Japanでは市場にとっての好材料も見られたと分析。LTO Ultrium 5以降のドライブに標準機能として搭載されているLTFS(Linear Tape File System)を活用したバックアップ/アーカイブソリューションが提案され始めており、従来のサーバーバックアップ領域を超えた展開の兆しが見え始めているとしている。また、テープオートメーションでは、ペタバイトクラスのデータのバックアップ/アーカイブ領域で需要が増加しており、2015年以降は需要の裾野が広がることが期待されるという。

 2014年~2019年における国内テープストレージ売上額の年間平均成長率は、マイナス7.3%と予測。2014年に見られたテープストレージの新たな市場展開については、今回の予測では影響度を最小限にとどめているが、新しいテープソリューションによるバックアップ領域での新規需要の掘り起こしや、アーカイブ領域での需要開拓が大幅に進展する場合は、予測を上回る市場展開も見込まれるとしている。

 国内企業では、膨大なデータを保存する必要性が出ており、大容量データを経済的に長期保存できるストレージソリューションの模索が始まっていると分析。IDC Japanストレージシステムズ シニアマーケットアナリストの高松亜由智氏は、「テープストレージは、大容量データを経済的に長期保存でき、容量拡張も容易という特徴に、『LTFS』という利用用途の幅を広げ得る機能を加えたことで、新たな市場展開と新規需要獲得の機会が広がっている」として、「テープは過去のストレージではなく、来る大容量データ時代の有力なストレージの選択肢の1つである」とコメントしている。

三柳 英樹