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会社貸与のPCをすべてBYODに変えたら――? ネットワンが全社で効果検証

 ネットワンシステムズ株式会社(以下、ネットワン)は29日、ワークスタイル変革を加速する実証実験として、全社員約2300名のPCを会社貸与からBYOD(私物端末の業務利用)へ切り替えると発表した。移行期間は4月1日~6月30日。会社管理PCの減少によりコストが削減されるか、社員の生産性はどうなるかを全社規模で実験する。

 ネットワンは、2010年から仮想デスクトップを一部社員に展開、2013年の本社移転を機に全社員に拡大導入することで、私物PCでもセキュリティを担保して業務できる環境を整備している。また2014年4月からは、BYODを推進するために、会社貸与PCを返却して私物PCのみで業務する社員に支援金として月額2000円を支給してきた。

 今回、さらにワークスタイル変革を加速するため、社員に15万円を特別賞与として支給し、業務用PCを会社貸与からBYODへ切り替える。これにより、会社が管理するPC台数を削減し管理コストを削減するとともに、社員が業務にあった最適な端末を選べるようにして生産性の向上を狙う。具体的に以下の効果を想定し、実践することで検証する。

- 会社が管理するPCの数を大きく削減
- 新規PCの購入コストを3年間ゼロに抑制
- ウィルス対策ソフトやIT資産管理ソフトなどのライセンスコストを削減
- PCの設定・貸与・OS/パッチ更新・資産棚卸しなどの運用負荷を削減
- モバイル性や画面サイズなどの要素から、業務環境に適したPC/タブレットを利用
- 持ち出し履歴管理や保管データ記録などの、PCの社外持ち出し管理負荷をゼロに抑制

 同社は「企業がBYODの効果を認識しながらも導入を進められていない背景には、“私物PCに業務データが残る”というセキュリティの観点が主な原因だと考える。当社はこの課題を仮想デスクトップによって解消し、ワークスタイル変革の効果を出すべく取り組んでいく」と趣旨を説明。

 そのほか、ワークスタイル変革の取り組みとしては、成果を約束すれば全社員が回数の制限なく利用できるテレワーク制度やフレックス制度、本社を初めとした主要拠点全域の無線LAN化、フリーアドレス、ならびにビデオ会議システムや各種コラボレーションツールを順次導入・拡充している。

 これらによって、いつでも・どこでも・誰でも・どんな端末でも安心・安全に業務が進められる環境を改善し、社員の生産性向上とワークライフバランスの両立を図るとしている。

川島 弘之