ニュース

日本郵船、3万ユーザーにOffice 365を導入へ データ保護ポリシーなどを評価

 日本マイクロソフト株式会社は21日、日本郵船株式会社が、グローバルコミュニケーション基盤をOffice 365で統合するプロジェクトに着手したと発表した。8月から順次サービス提供を開始し、3年後を目標に、日本郵船グループ全体、約3万ユーザーへの展開を予定しているという。

 日本郵船グループでは、業務に関するさまざまな経験やナレッジを持つ人材が多数在籍しているが、これまで、グループ各社が個別・縦割りにシステムを構築・運用していたため、グループの「誰が」「どんなナレッジを持っているのか」が把握しづらかったという。

 また、メールシステムがグループ会社ごとに異なっていたことから、メールの統一も課題とされていた。日本郵船の社員は、海外への転勤やグループ会社への出向を含め、数年ごとに異動するものの、そのたびにメールアドレスが変わり、情報共有がしにくい点が問題だったとのこと。さらに、メールのアーカイブなどもグループ各社に任されており、情報活用にかかわるグループ全体のコンプライアンス確立とセキュリティ強化が急務だった。

 そこで、クラウドを含めたコミュニケーションシステムの導入を検討。「“お客さまのデータはお客さまのもの”を徹底するデータプライバシー保護の姿勢を示していること」「世界有数のサーバーセキュリティ対策のノウハウをデータセンター運営やOffice 365のセキュリティ対策に反映していること」「複数拠点で高い耐震性を誇るデータセンターや障害の予兆検知など、自然災害への万全な対応」などを評価し、Office 365を採用したという。

 このうち1つ目の、データ所有権の明確化では、クラウドサービスを解約・利用停止する際に事業者がデータを消去することを明記しているだけでなく、政府などから、顧客が保管するデータに対する開示要請があっても、顧客から情報開示してもらうようにするプロセスが利用契約に明記されている点を、日本郵船では高く評価したとのこと。

 なお日本郵船グループでは、陸上業務を行う約3万人に対し、2015年夏からメールやスケジュール管理をはじめ、オンライン会議、ナレッジ共有、ソーシャルなどの各種サービスを順次導入。各社の要望に応じてCRMなどのサービスを導入する計画もあるとした。

石井 一志