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米Microsoft、Microsoft Azureの機能拡張を発表
Azure App Serviceやデータベース関連のサービスを追加へ
(2015/5/1 00:00)
米Microsoftが開催しているBuild 2015では、クラウドサービスのMicrosoft Azureに関する発表がいくつも行われた。注目されていたWindows 10の情報よりも、むしろMicrosoft Azureに関する情報に時間が割かれており、このあたりは、クラウドファーストを表明しているナデラCEOならではだろう。
まず、Microsoft Azureのデータセンターが19リージョンに拡大された。AWSやGoogle Cloudよりも多くの地域で、Microsoft Azureが利用できることになるという。
Microsoft Azureでサービスが開始されたAzure App Serviceは、Web Apps、Mobile Apps、Logic Apps、API Appsなどをサポートしたクラウドアプリの構築環境。特にAPI Appsでは、Microsoft Azureを基盤といてサービス提供されている自社のOffice 365、Dynamics Onlineだけでなく、Salesforceなどの他社のSaaSともAPIで連携して、ユーザーが独自のサービスを構築できるようになる。
さらに企業ユーザーは、自社のオンプレミス環境にあるデータベースなどのシステムとVPNでMicrosoft Azureをつなぎ、オンプレミスのデータをパブリッククラウドに持ち出さずに、サービスを構築することもできるという。これによって、パブリックとオンプレミスの境目のない、ハイブリッドな環境が構築可能になる。
データベース関連の機能を強化
今回、Microsoft Azureのデータベース関連でも、いくつかの機能が発表された。
Azure SQL Database Elastic Database Poolは、数千のデータベースを横断して、1つのデータベースプールに集約することができる。
また、PB(ペタバイト)クラスのデータを簡単にアグリゲーションして集められるAzure SQL Data Warehouseが発表された。Hadoop、SQL Database、オンプレミスデータベースなどのデータを統合し、BIツールのPowerBIで分析したり、Azure Machine Learningを使って機械学習を使用したりすることもできる。
もう1つ、IoT時代になり重要になってくるのが、膨大なデータを蓄積するData Lakeだ。これに対しても、Azure Data Lake Serviceを新しく提供することで対応していこうとしている。
この他、Azure Machine Learningを利用したOffice Graphを基盤として使用したOffice Delvのデモも行われた。
Build 2015では、Microsoft AzureやOffice 365などに関していくつかの発表はあったが、5月4日から米国シカゴで開催されるIgnite(旧Tech-ED)で、中身の詳細やさらなる新機能などの発表があるだろう。