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ベリサーブが車両実走行検証サービス、「自動運転」などの実現に向け

 株式会社ベリサーブは31日、次世代ITS実走行検証サービス「VSAS(バーサス)」の提供を開始した。

 近年、自動車にはさまざまなソフトが搭載され、高度化・複雑化している。こうした車載ソフト検証のための実走行テストは、テスト項目の高い網羅性と多くのテスト人員を要し、自動車メーカーや部品メーカーにとって大きな負担になっているという。

 また、政府の「世界最先端IT国家創造宣言」においては「2018年をめどに交通事故死亡者数を2500人以下とし、2020年までに世界で最も安全な道路交通社会を実現する」としている。このために「車の自律系システム・車・道路との情報交換などを組み合わせ、2020年代中には自動走行システムの試用を開始する」としている。

 同社は2001年の創業以来、さまざまな製品やシステムに対する各種検証サービスを行ってきた。また、自動車関連の検証サービスにおいて、近年ではシステムの問題点のみならず、実際の消費者が運転を通じて感じる「運転のしやすさ・購入意欲・満足度」などのユーザビリティ、さらにはUX(ユーザーエクスペリエンス)に関する分析レポートも提供してきたという。

 今回、こうした検証サービスを通じて得たテスト観点・分析手法・自動化ツール・蓄積した実走行データを基に、サービスをパッケージ化。自動車・部品メーカーに以下のようなサービスを個別案件ごとに提供するとしている。

(1)交通関連インフラ調査
 実際の交通環境の中で、実験実地路線や実験実施時間帯を選定し、その状況下における課題を抽出する。

(2)モニターテスト
 モニターに実際の車両を運転してもらい、関連するシステムの利用品質について、そのデータと分析結果を提供する。

(3)運転支援システム効果評価
 実走行したデータ(定量および定性)を収集分析し、その結果を基に状況を解析。車載システムとインフラシステムの連携に関する改善項目の有無を確認する。

(4)走行データ分析
 要望に応じて実走行し、蓄積した走行データを独自の観点で分析。車両購入時の参考情報として、各メーカーのマーケティング部門、自動車販売会社、マーケティング専門会社などに提供する。

(5)実走行テスト企画
 個別の要望に応じて、実走行テスト全体の企画・運営から、分析観点でのレポート報告までトータルプロデュース。レポート提供まで実現する。

 同社では、自動運転などのために今まで以上に車載ソフトの機能が拡張されることを想定し、自動車・部品メーカー以外にも、関連するフィールドテストや実証実験を行うIT企業やマーケティング会社などにもサービスを提案する方針。価格は、テスト車両1台から要望に応じて個別見積もり。車両台数、テストドライバー人数、走行日数、走行範囲、分析対象、分析項目などによって変動する。

川島 弘之