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SAPがファッション業界向けアプリ、Giorgio ArmaniやAdidasと共同開発

 SAPジャパン株式会社は24日、インメモリプラットフォーム「SAP HANA」上で稼働する、ファッション業界向けアプリ「SAP Fashion Management」の提供を開始した。Luxottica、Giorgio Armani、Tommy Hilfiger、Adidasといったアパレル・フットウェア企業とのCo-Innovation(共同開発)による誕生した。

 昨今、ファッション業界ではビジネスのグローバル化により、多様なシーズンにあった製品を同時に生産・展開する必要が生じている。スマートデバイスの普及に伴い、顧客のタッチポイントも店頭に限定されず、多様化の一途を辿っている。こうした葉池に湯下り、アパレル製造卸企業は、より強固なブランドイメージ醸成、在庫リスクの低減、利益率向上のための小売を展開し、小売企業は品質や価格を管理しやすくするため、自ら製造・卸業務を行うなど、業界全体でビジネスモデルの垂直統合が進んでいるという。

 SAPジャパンは従来、アパレル製造卸企業向けに「SAP Apparel and Footwear」、小売企業向けに「SAP Retail」とそれぞれ異なるアプリを提供してきたが、前述の背景により両アプリを併用する企業も増加していた。しかし、ビジネスサイクルの併用では作業工程に無駄が生じ、マスターデータの管理も煩雑になるなどの課題が浮き彫りになっていたという。

 そこでSAP Fashion Managementは、Co-Innovation(共同開発)により2つのアプリを統合。製造、卸、小売とファッション業界における全チャネルを通じて、サプライチェーンにかかわる業務を支援できる製品として生まれ変わった。

 SAP Fashion Managementを利用することで、販売・生産計画、オムニチャネル、マスターデータなどを一貫して管理し、グローバルでの業務プロセスの見える化と意志決定の迅速化が可能になるという。

川島 弘之