ニュース

DNP、印刷物・音・Beaconからコンテンツへ誘導する情報配信アプリ

 大日本印刷株式会社(DNP)は17日、画像の電子透かし技術を活用してスマートフォンへコンテンツを配信するアプリ「QUEMA(QUick and Easy Media Access) for Smartphone」に新機能を追加して、App Storeで配信を開始した。Android版は5月頃に配信する予定。

 QUEMAは、電子透かしが埋め込まれた印刷物をスマホカメラで撮影すると、アプリが電子透かしを認識して印刷物に関連するコンテンツを配信するサービス。2011年から提供し、2012年からは汎用アプリとして「QUEMA for Smartphone」を提供している。今回の新機能は、音のデータに埋め込まれた電子透かしを読み取る機能と、Beaconの電波を受信する機能。

 前者の機能では、テレビ・ラジオ・デジタルサイネージ・店内放送などで流す音源データに電子透かしのデータを埋め込む。スマートフォンがその音を感知すると、埋め込まれた電子透かしを読み取り、コンテンツを配信する。音が届く範囲であれば、同時に多数のユーザーにコンテンツを配信できる。

 後者の機能では、施設・店舗内などに設置されたBeaconに近づくと、スマホが電波をBluetooth機能で自動受信し、コンテンツが配信される。ユーザーがいる場所に応じて最適な情報を配信できるという。

 このほか、雑誌やチラシの写真やイラストなどの印刷データに電子透かしを埋め込んでおき、スマホカメラで印刷物を撮影するとコンテンツを配信する機能が利用できる。

 O2Oプロモーションを実現するためのものだが、今回、印刷物だけでなく音・Beaconの活用も可能になったため、生活者はこれらの情報メディアに接したその場でコンテンツへアクセスできるようになり、より詳細情報が取得しやすくなるという。

 DNPは、印刷物やコンテンツの制作、キャンペーンの企画、事務局運営などのBPO(Business Process Outsourcing)、アクセスログの分析による改善策の提案などを組み合わせて、トータルに企業のO2Oプロモーションを支援。2016年度までの3年間累計で5億円の売り上げを見込む。

川島 弘之