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Red HatとNEC、キャリアグレードのOpenStack NFVソリューションを提供へ

 米Red Hatと日本電気株式会社(以下、NEC)は10日、OpenStackプラットフォームにおいて、キャリアグレードのネットワーク機能仮想化(NFV:Network Functions Virtualization)ソリューションを実現するために共同開発を進めていると発表した。共同開発したOpenStackのNFV対応機能は、Red Hatの商用OpenStackディストリビューションである「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform」にも実装されているという。

 NECでは、ネットワークとIT双方の領域でノウハウを培っているほか、グローバルで通信キャリアと共同NFVプロジェクトを推進しており、そうした経験を、OpenStackのNFV対応機能開発に生かしているという。また、そこで開発された機能などは、Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platformに統合され、通信キャリアが仮想化に移行できるよう設計されているとのこと。

 両社は、10年以上に渡ってオープンソースソフトウェア(OSS)の共同開発で協業してきたが、ここ数年は、通信ネットワークに関するNECの知識を活用し、NFVシステムとOpenStackの統合作業に重点を置いてきた。これによって、データプレーン開発キット(DPDK)によるデータプレーンの高速化を含む、OpenStackとKVMのNFV機能の高速化が可能になり、キャリアグレード/キャリアスケールのシステムを実現したという。

 さらに、こうした活動成果はOpenStackコミュニティへ還元され。この協業の直接的な結果として生まれたNFV機能のいくつかはOpenStack Junoリリースに含まれたり、次のOpenStack Kiloリリースでの実装が予定されたりしているとした。

 なお、OpenStackベースのクラウドプラットフォーム上で実現されるNECのNFVソリューションには、vEPC(virtualized Evolved Packet Core:モバイルパケットコア仮想化)や、vCPE(ユーザー宅内装置の仮想化)などが含まれる。

石井 一志