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NTTデータ、マイナンバーの安全・簡便な収集方法を検証

社員200名を対象に実証実験

 株式会社NTTデータは、個人および企業・団体における社会保障・税番号制度(以下、マイナンバー制度)への対応を支援するため、番号収集の代行機能(以下、番号収集代行サービス)の提供に向けた実証実験を2015年2月から開始する。

 2015年10月をめどにすべての国民・法人へマイナンバーの通知が始まり、2016年1月からその利用が開始される。この制度では、税法等各法令に基づき「顧客または従業員等からマイナンバーを集め、法定調書等の公的資料に記載などして提出する」という義務が金融機関や一般企業に課される。

 金融機関や一般企業がマイナンバーを収集する際、一定の条件を満たした場合を除いて本人確認が必要となる。しかし、本人確認のために、都度窓口手続きや郵送するのは個人にとっての負担が大きい。金融機関や一般企業にとっても「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(以下、番号法)」などにおいて、マイナンバーおよび特定個人情報の扱いについて、収集・保管などの厳格な要件が定められており、制度対応のための業務負荷の増大が課題となる。

番号収集業務の流れ

 NTTデータが提供を予定するサービスでは、これらの課題を解決すべく、金融機関や一般企業からの委託を受けてマイナンバーの収集を代行する。個人からマイナンバーを収集する際に、電子的な番号収集技術を通じて、通知カードやそのほか本人確認書類を突合する。将来的には個人番号カードの突合も行う予定。これにより、個人は時間や場所の制約を受けずにマイナンバーを提供できるとともに、企業にとっては本人確認やマイナンバー管理の業務負荷を軽減できるという。

 実証実験では、番号収集代行サービスの提供に向けて、電子的な情報収集・登録が正常に完了するかを検証する。具体的には、仮想マイナンバーに見立てたNTTデータの社員番号を使用。デモシステムを実際に稼働させた上で、IC運転免許証および社員番号が記載された健康保険証をスマートフォンで読み取る。

 同時に、番号収集システムの使いやすさの検証として、検討しているサービスのフローやUIについて、実証実験に参加した社員からヒアリングし、マイナンバーを提供する個人にとっての使いやすさの向上に役立てるという。

 実施期間は2015年2月上旬~中旬を予定。NTTデータ社員200名を対象とする。

実証実験の概要

 また、この実証実験とは別に、複数の金融機関の協力の下、デモシステムの体験およびサービスの金融機関側業務フローへの適合性などを検討。収集する側となる企業にとって、円滑な業務遂行のための改善を随時行うという。

 今後については、同実証実験で得られた結果をベースにサービスを実用化し、マイナンバー制度運用開始時に正式なサービスとして提供できるよう検討を重ねる。また、公的個人認証サービス(JPKI)による認証サービスの利用が、地方公共団体情報システム機構に許可され次第、実際の個人番号カードを使用した電子的な番号収集技術についても取り組む方針。

川島 弘之