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パターンファイル不要のアンチウイルス「Trend Micro Safe Lock」新版

ウイルス検索負荷を抑える多彩な仕組み

 トレンドマイクロ株式会社は7日、パターンファイル不要のロックダウン型ウイルス対策ソフト「Trend Micro Safe Lock(以下、TMSL) 2.0」を発表した。1月26日から販売する。

 TMSLは、システムの特定用途化(ロックダウン)により、不正プログラムの侵入・実行を防止するウイルス対策ソフト。パターンファイルが不要なため、パフォーマンスの低下がなく、パターンファイルを更新する際の動作検証も必要ないのが特徴。そのため、安定稼働が重視される制御システム(組立工場の生産ラインなど)や組込機器(ATM、POS、工作機器、分析装置、デジタルサイネージなど)といった特定用途端末を効果的に保護できるという。

 脆弱性攻撃対策機能も搭載し、USBなどの外部記憶媒体やネットワークを介して行われる脆弱性を突く攻撃や、実行中のプロセスに対する攻撃を防止する。このように、道の脅威や脆弱性攻撃からも端末を多層的に守れるため、修正プログラムが提供されないサポートOSなどのセキュリティ対策としても有効とのこと。

 新版となる「2.0」では、セキュリティ運用を向上させる「管理コンソール」と、より細やかなセキュリティ対策を実現する「書き込み制御機能」を実装した。

 管理コンソールは、集中監視、代理ウイルス検索、原因分析などの機能を搭載した管理ツールで、管理下にある端末を集中監視することで、検知したインシデントを管理者に通知する。

 代理ウイルス検索では、起動をブロックされたファイルが不正プログラムかどうかを管理コンソール側でチェックし、対象端末にある当該ファイルを管理コンソール側から削除・隔離できる。これにより、管理者が従来手動で行っていた、起動をブロックされたファイルの健全性確認や削除といった手間を大きく省けるほか、エージェント側でウイルス検索を行わないで済むため、端末への負荷も抑えられるという。

 原因分析機能では、管理コンソール上に起動をブロックされたファイルの混入・実行経路を図示したり、同一事象が発生している端末の一覧を表示することができ、インシデントによる影響範囲の特定や再発防止策の検討を支援する。

 一方の書き込み制御機能は、不正プログラムや誤操作によるファイル改ざんを防止する機能。システムが正常に稼働するために必要な重要ファイルの健全性を維持できる。同機能はエージェント側に搭載する仕組みとなる。

 「TMSL 2.0 スタンダード版」の価格は、クライアントOS版が1万1400円(税別)、サーバーOS版が10万6200円(同)。管理コンソールを含まない「ライト版」も提供。無償体験版も用意される。1年間で300社の導入をめざす。

川島 弘之