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NRI、医薬品・医療機器業界向け文書管理クラウドを強化

誤作業リスクを軽減、複数ユーザー利用時の効率化も

 株式会社野村総合研究所(NRI)は、主に医薬品・医療機器業界向けの共同利用型文書管理システム「Perma Document」において、新版「同 Ver.3.1」を10月29日に提供開始すると発表した。新版では、医薬品などの研究や製造の現場で、誤った文書を参照してしまうリスクを軽減したり、文書を作成・更新する作業の効率化を図ったりしているという。

 「Perma Document」は、規制対象ドキュメントの保管のみならず、バージョン情報や配布・教育履歴、監査証跡などを一元管理・実施できるSaaS型文書管理サービスである。

 新版では、まず、Word/Excel/PowerPoint文書を登録する際に、自動的にPDF変換できるようになった。変換後、当該文書はセキュリティや改ざんに対して保護された状態で保存され、ユーザーに公開する場合も、各ユーザーに付与された設定にしたがって、現在有効なPDFファイル(作業手順書など)に限定した表示を行えるという。さらに、表示したPDFファイル上に透かしでその文書の承認状況を表示できるので、その時点で無効な文書を元に作業をしてしまうリスクを減らせるとした。

 また従来版は、クラウド環境にある個々の電子文書の承認情報は、クラウド内でのみ各文書と関係づけられているため、文書を印刷した場合には、その文書の承認状況などがわからなくなっていた。新版では、承認情報などを文書の表紙、あるいは最後のページに自動印字可能になったほか、文書情報を各ページのヘッダーやフッターに印字できるため、ページ単位での差し替えを防止でき、電子文書と印刷物が一致していることへの信頼性が向上したとのこと。

 このほか、PDF形式で保存した文書について、ネットワークを経由して複数ユーザー間で査読する際に、査読者が付与したコメントをクラウド上のデータベースに保存できるようにした。これによって、レビューの効率が向上するという。加えて、レビューコメントの内容を表形式で出力できることから、最初の文書作成者が各コメントに対応する際の作業も効率化できる。

 Perma Documentの価格は、「データ量」と「各種利用者数」を基に計算され、最小構成では月額10万4000円(税別)から。

石井 一志