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エンタープライズ向け施策続々、ニフティクラウドが新サーバータイプなど機能拡充

ビットアイルへのOEM提供も

 ニフティ株式会社は4日、「ニフティクラウド」におけるエンタープライズ向けの施策を発表した。新たにコストパフォーマンスを重視したサーバータイプ「Type-e」の追加、ハイブリッドクラウドのためのネットワーク機能の強化、有人監視サービスを順次提供する。

 併せて、ビットアイルとの業務提携も発表。ニフティクラウドを同社へOEM提供し、両社のデータセンターをダイレクト接続する方針を明らかにした。パートナーによる付加価値創出を目指すという。

 これらはエンタープライズ系の顧客のニーズに応えるものとなる。

機能強化・拡充の内容

 Type-eでは、新たに14種のサーバータイプを提供する。コストパフォーマンスを重視したもので、障害時の24時間365日サポートや自動フェイルオーバー機能、SLA 99.99%の高信頼性はそのまま、性能上限に制限を付けることで、従来タイプ(Type-h)の同等構成と比べて、約1/3〜1/2の低価格化が図られている。

 社内システムや開発環境、キャンペーンサイトなど手軽に始めたいシステムに最適。従来タイプとのスケールアップ・スケールダウンも可能なので、全34種となったサーバータイプから、より柔軟にスペックと価格を吟味できるようになる。ただ、利用できるのは東日本リージョンのみとのこと。提供は10月1日より。

 スペックは1vCPU/0.5GBメモリ〜4vCPU/32GBメモリ。価格(税別)は月額2210円〜月額3万8000円。例えば、最安モデル「e-mini」では、従来タイプの月額4800円から月額2210円と53%オフとなる。従量課金でも利用できる。

Type-eを加えてサーバータイプは全34種に
Type-eのスペックと価格

 ネットワーク機能の強化では、ニフティクラウドのネットワーク環境と既存のオンプレミス環境をシームレスに接続できるようにする。VPNで両環境を接続する「ゲートウェイ」、NAT/DHCP機能を備えた「ルーター」が提供され、同一のネットワークをVLANを切って運用するような使い勝手が実現する。これにより、既存サーバーの設定を変更せずに、オンプレミス環境にあるシステムをそのままクラウド上へ移行することが可能だ。提供は11月より。

ネットワーク機能の強化
各機能の価格

 有人監視サービスは、従来の電話・メールサポートを強化し、顧客のサーバーを24時間365日有人監視する。サーバー一台単位で利用可能で、プロセス監視やURI応答監視、アラートメール監視などを組み合わせて、システム全体を監視することも可能という。こちらは9月4日より提供が始まっており、価格は月額8000円(税別)/台。

有人監視サービスの概要

エンタープライズのニーズに応えるため

クラウド事業部長の上野貴也氏
エンタープライズ系の顧客が67%に

 これら機能強化・拡充の狙いは、エンタープライズ系のニーズに応えることだ。2010年より提供が始まったニフティクラウドも4年で3000案件を突破。当初はゲーム事業者などのエンターテイメント系の導入がほとんどだったが、今ではエンタープライズ系の顧客が急増し、全体の67%を占めるに至った。

 エンターテイメント系とエンタープライズ系の企業ではIaaSに求める要件が異なり、エンタープライズ系が増えた現在は提供する機能とニーズにギャップが生まれていたという。その差異を吸収するのが、今回の機能強化・拡充の狙いだとクラウド事業部長の上野貴也氏は語る。

 具体的には、爆発的なアクセスとなるエンターテイメント系の事例に対して、サブシステム単位でクラウドへ移行するようなニーズもあるエンタープライズ系では、従来のサーバータイプではハイスペック過ぎるというケースがあったという。Type-eは「よりコストパフォーマンスの高いサーバーを利用したい」という顧客のニーズに応えるものだという。

 また、エンタープライズ系の場合、クラウドには移行できないデータも存在する。その課題の最適解となるのがハイブリッドクラウド環境。ネットワーク機能の強化は、サブシステム単位で設定を変えずにクラウドへ移行できる手軽さと、まさにこのハイブリッドクラウド環境を実現するための施策となる。

 ニフティクラウドは提供開始後の4年間で、ほかにもさまざまなエンタープライズ向けエンハンスを行ってきた。今回もその一環で、急激に受注を伸ばしているエンタープライズ系の要請に今後も応えていく姿勢だ。

ニフティクラウドを事業提携のハブに

代表取締役社長の三竹謙司氏

 併せて発表されたのが、ビットアイルへのニフティクラウドOEM提供。これを受けてビットアイルから「ビットアイルクラウド Nシリーズ powered by ニフティクラウド」が10月1日より提供される。また、ニフティクラウドとビットアイルデータセンターをダイレクト接続させるという。これもまたハイブリッド環境の実現を目指した取り組みだ。

 なお、ニフティクラウドのOEM提供は、ケイ・オプティコム、ソネット、富士通マーケティング、クララオンラインに続いて5社目となる。ニフティクラウドではIaaSのほか、「Mobile Backend」などのPaaS、「ハコクラ」などのSaaS分野へもラインアップを広げ、各サービスの垂直統合を進めることで、さらなる付加価値の創出を目指している。「ただ、ニフティだけでできることには限りがあるので、パートナー戦略を重要視している」(代表取締役社長の三竹謙司氏)という。

ニフティクラウド サービス一覧

 すでに「販売パートナー経由の売上比率は約60%、ニフティクラウド上のパートナーソリューションの数は180を超える」とのことで、今後も同社による垂直統合とパートナーとの水平分業を同時に推進していく方針だ。

(川島 弘之)