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エプコと日本IBM、電力事業参入を支援――2016年の電力小売自由化を見据え

「電力小売事業者向けユーティリティサービス(仮称)」提供へ

 株式会社エプコと日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は2日、エネルギーマネジメント分野およびくらし支援分野での協業を発表した。電力小売自由化を見据え、「電力小売事業者向けユーティリティサービス(仮称)」を10月から提供する予定。

 電力の小売を全面的に自由化する改正電気事業法が6月11日に成立し、これまで地域の電力会社からしか電気を買えなかった一般家庭において、2016年から自由に電力会社が選べるようになる。

 両社は、電力小売分野でのエネルギーサービス市場の拡大、HEMSなどのデータの利活用による新規ビジネス創出に挑む事業者への支援を目的に、エプコのアプリケーションサービス「ぴぴパッ!」や業務支援サービス、および日本IBMのサービス・デリバリー・プラットフォーム(SDP)を連携。電力小売自由化を見据え、電力事業に参入する事業者、住宅関連事業会社、エネルギー関連サービス事業者、および自治体などを対象にサービスを提供していく。

 今回の協業では、まず「ぴぴパッ!」とSDPの接続仕様の検討や接続検証を実施し、電力小売事業に参入する企業の迅速な事業展開を可能とする情報基盤・業務パッケージ「電力小売事業者向けユーティリティサービス(仮称)」を10月に提供する予定。

電力小売り事業者向けユーティリティーパッケージ概要
電力小売り事業者向けユーティリティーサービスの業務イメージ

 「ぴぴパッ!」は、エプコ独自のアルゴリズムを活用し、気象予測・消費予測・売電予測・蓄電池制御・太陽光発電予測を基にした節電目標を立てて、節電アドバイスを受けながら経済的な暮らしを実現するWebサービス。ベンダーに関係なく「ECHONETLite」に対応した機器を制御できるのが特徴。

HEMSアプリケーション「ぴぴパッ!」の概要

 一方、日本IBMのSDPは、仕様の異なる複数のBEMSやHEMSからデータを統一的なフォーマットで収集・保管し、サービスプロバイダーにAPIを提供することでBEMS/HEMSのデータ利活用を促進するプラットフォーム。

 これらを連携させることで、電力事業参入やデマンドサイド・マネジメント(需要側管理)を支援する情報基盤と業務をパッケージ化し、データの利活用を軸にしたイノベーション創出を推進するとしている。

川島 弘之