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ITFORが通話録音システム新版、苦情原因を特定する新機能

 株式会社アイティフォー(ITFOR)は24日、通話録音システム「ナイス・インタラクション・マネジメント(NIM)」新版を発売した。

 NIMは、イスラエル・ナイスシステムズ社の製品で、録音内容を「日時」「電話をした人」「発信・着信番号」などの要件で検索し再生する製品。コンタクトセンターを対象とする。オペレーターが言ってはいけないNGワードを検知する会話分析、顧客の感情変化を検知する感情分析、会話内容をテキスト化する機能、電話対応者の評価機能なども備える。

 新版では、「音素検索」機能を搭載。「音素」を用いて通話内容から高速でキーワード検索できる。従来、通話内容から特定の単語を見つけ出すためには、すべての通話内容をシステム内蔵の辞書に照らし合わせてテキスト変換してから検索する必要があったという。これに対して、音素検索は録音された通話内容を母音と子音という音声の最小単位である音素に分解して検索可能。例えば、「返品」は「h/e/n/p/i/n」という文字列の音素に分解され、この文字列を検索のキーワードとするため、より高速な検索が可能になるという。

 このほか、音声認識ソフト「AmiVoice」のテキスト化エンジンも搭載。さまざまな人が話す言葉や会話スピードに対応し、周囲の雑音・騒音に対して強力なノイズ排除技術が実装されており、高精度なテキスト化を実現するという。

 この2つの機能と「因果分析」を組み合わせることで、「苦情原因を特定」できるのが新版の特長とのこと。その流れは、まず過去の業務経験を基に「顧客が苦情時に発するネガティブな言葉」を人為的にリストアップし、音素検索用キーワードとして登録する。次に録音されているすべての通話から登録したキーワードで音素検索。結果、例えば「間違った情報(を説明された)」の音素が含まれる通話が多い場合は、その通話をテキスト化し因果分析を行う。

 因果分析は「頻出する言葉」を出現回数に応じて大小の吹き出しでビジュアル表示する機能で、頻出する言葉が「違約金」「払い戻し」「当座預金の利息」の3つだと判明した場合、これらの言葉に関して「エージェントが顧客へ間違った説明した可能性」が考えられるため、正しい説明方法をエージェントへトレーニングして業務改善につなげられるという。

頻繁に出現するトピックの分析
因果分析:間違った情報提供

 価格は100席のコンタクトセンターの場合、一式3000万円から。ITFORは今後1年間で5億円の販売を目指す。

川島 弘之