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フコク生命、顧客の声分析で苦情判別を自動化、業務量を90%削減

 富国生命保険相互会社(以下、フコク生命)は、顧客からの苦情を自動的に判別するシステムを構築。手作業で行っていた業務を1/10に削減することに成功した。システム構築を担当した日本IBMが25日、発表した。

 フコク生命は、コールセンターなどを通じて寄せられる顧客からの意見・要望・不満などの申し出情報から、苦情にあたるものを担当者による手作業で抽出していた。今回構築したのは、顧客からの膨大な申し出情報を蓄えるデータベースにおいて、その内容を速やかに判別できる「お客さまの声」分析システムで、年間約60萬件にも及ぶ顧客とのやりとりを自動判別できるようになった。

 その結果、これまでの手作業による判定業務量が90%削減され、作業期間も1週間から1日に短縮できた。顧客の不満を引き起こしている原因を迅速に理解することが可能となり、社内共有も可能となった。また、これまでに蓄積されたすべての申し出情報を分析することで、顧客の要望事項や不満の声をより広い視点で改善検討につなげられるようにもなったという。これらにより、フコク生命は顧客満足度のさらなる向上に努める考え。

 同システムには、IBMのテキストマイニングソフト「IBM Content Analytics with Enterprise Search(以下、ICA)」が採用された。ICAは、契約情報などの構造化データと、顧客との会話などの非構造化データ双方のクロス分析や時系列分析が可能なほか、ビッグデータ分析と分析軸を自由に追加できる柔軟性に特徴があるとのことで、業務に最適化した分析環境を実現できたという。

川島 弘之