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農作物の収穫期・量を「高精度に」予測、JSOLがサービス提供

 株式会社JSOLは11日、農業生産法人向けに収穫予測とコスト最適化により、経営改善を実現するクラウドサービスの提供を開始した。

 従来、農業分野においては、作物の収穫時期や収穫量のコントロールが難しく、出荷量の過不足による廃棄・補填コストが経営を圧迫していた。この課題に対して、JSOLのデータサイエンティストチームが農業生産法人と提携し、各種データの解析を進め、ロジックの検証・修正を繰り返し行うことで予測モデルを開発、システム化・クラウドサービス化に成功した。

 作付データ(作物・品種・播種日・定植日・株間・畝間・播種/定植数)、農地データ(面積、土質、水はけ、日当たり、傾斜度、土壌の化学的組成)、農法データ(施肥、施農薬、作型)、インシデントデータ(病害虫発生など)、日々の作業・生育データなどから高い予測モデルを開発し、「これまでにない実用性(高精度)」を実現したという。

 ユーザーはこれらのデータをクラウド上で入力。農場を更に細分化した圃場単位での各種予測・計画が可能となる。Google Cloud Platformをサービス基盤としており、インターネット接続環境さえあれば、日本国内だけでなく全世界でも利用が可能。JSOLでは「大規模生産が困難な海外地域へ、高品質な生産モデルを展開する際にも有効性の高い手段として利用できる」と説明している。

サービス画面のイメージ

 今後は農業生産者へ広くサービスを提供し、品種・地域などの多様性に対する適合精度を高める取り組みを進める。また、農業以外にも、製造・流通・金融・公共などの法人向けに同モデルを展開する予定。

川島 弘之