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NEC、アデランスのグローバル生産モデルを確立

日本主導の標準生産モデル構築/グローバルロールアウト

 日本電気株式会社(NEC)は18日、株式会社アデランスの生産管理システムを刷新し、グローバル標準の生産モデルを確立するとともに、生産管理レベル(QCD:Quality、Cost、Delivery)の向上に貢献したと発表した。同システムは、IFSジャパン株式会社のERP製品「IFS Applications」で構築したもので、この5月からフィリピン工場で稼働を開始している。

 アデランスは現在、フィリピンおよびタイにおいてウィッグなどを生産している。各工場の生産管理システムは現地で個別に構築したため、日本からのガバナンスが効きづらく、納期・品質・原価などのQCDをきめ細かく把握・管理することが課題となっていた。また、人件費が安価な地域へ迅速に生産拠点を展開できるよう、新たな標準システム基盤の構築が必要だったという。

 今回の生産管理システムは、従来の部門(セクション)単位で管理していた進ちょく・品質情報を、現場の詳細な工程単位で管理するもの。具体的には、ハンディターミナルを利用して作業の着手や完了の実績報告を行うことで、各工程間の滞留状況を見える化し、納期遅れへの早期対応を実現する。また、仕掛品の所在を正確に把握することで、キャンセルや変更への柔軟・迅速な対応が可能となり、また工程別の検査結果を把握することで問題工程の見える化が可能になる。

 さらに個別使用のオーダーメイド品と仕様が決まっているレディメイド品について、日本からの受注情報をシステムに取り組むフォーマットや、工場で作製指示を行う機械を統一化した。これらにより、システム入力作業の効率化と入力ミスの削減を実現するという。

 アデランスは今後、フィリピン工場における会計システムの構築や、タイ工場・ラオス工場(新設予定)への生産管理システムの展開を計画している。