ニュース
アリスタ、100GbE対応の大規模データセンター向けスイッチを国内で販売開始
(2013/6/12 11:04)
アリスタネットワークスジャパン合同会社(以下、アリスタ)は11日、Ethernetスイッチ製品ラインアップの最上位機種となる、モジュール型スイッチング・プラットフォーム「Arista 7500Eシリーズ」の国内出荷を本日より開始したと発表した。
「Arista 7500Eシリーズ」は、10Gigabit Ethernet(GbE)を最大1152ポート、40GbEを最大288ポート、または100GbEを最大96ポート、ワイヤスピードで搭載できる大規模データセンター向けEthernetスイッチ。今回の日本市場でのリリースにあたり、米Arista Networks 日本・韓国・米国西部地区担当 インターナショナル・セールス・ダイレクタのチャールズ・W・ウィル氏は、「『Arista 7500Eシリーズ』は、米国で5月1日に発表した新製品で、ラスベガスで開催されたINTEROP 2013において、グランプリとベストオブネットワーク賞を受賞している。この新製品を日本市場で販売開始するのを機に、日本向けの営業チームを増強し、さらにコミットを強化していく」との考えを示した。
「Arista 7500Eシリーズ」では、コンパクト設計の「7504E」(4スロット)と、ハイエンドモデルの「7508E」(8スロット)の2モデルを用意。10GbEまたは40GbE構成で、30Tbpsのスイッチング能力を発揮する。パケット・バッファはスイッチあたり144GB。さらに、シングルインターフェイスで10G、40G、100Gモードの自由な組み合わせが可能なオプティクスを活用することで、ワイヤスピード100GbEをサポートする。10GbEポートあたりの消費電力は4W未満となっている。
新製品により、クラウドネットワークにおいて、10万台以上のサーバーや数百万の仮想マシンを収容することが可能となり、クラウド、ビッグデータ、ストレージ、Web2.0、仮想化などを同時にサポートできる業界初のネットワーク・アーキテクチャを実現する。米Arista Networks ビジネス開発&アライアンス担当副社長のエド・チャップマン氏は、「『Arista 7500Eシリーズ』は、クラウドスケールでデザインされた初のトリプルスピード(10/40/100GbE)の高密度データセンタースイッチ。拡張性に優れ、大規模クラウドの構築にかかわるエコノミクスを変革する。また、SDN向けに開発したArista EOS(Arista Extensible Operating System)アーキテクチャを提供する。これらにより、当社は、競合他社に比べてハードウェアで2年、ソフトウェアで10年先行していると評価された」と述べた。
「従来のデータセンターは、ラックあたりのサーバー台数は20~40台程度だったが、今後はラックあたり60~80台までサーバー密度が高まってくる。こうした高密度環境では、ネットワークのコストが急激に増大するため、ハイパフォーマンスなクラウドの構築は経済的に難しかった。これに対して、『Arista 7500Eシリーズ』は、ネットワークのエコノミクスとクラウドのエコノミクスを両立する機能を備え、最大規模のクラウドネットワークを実現できる」(チャップマン氏)としている。
ソフトウェア機能としては、プログラミング性に優れたArista EOSソフトウェアを搭載し、プログラム制御、高度なモニタリング機能、および自己回復性などをサポートするSDN機能を提供する。具体的には、ワイヤスピードのVXLANゲートウェイ、64way L2/L3マルチパス、Arista LANZ/DANZ/Tapアグリゲーションによる高精度のトラフィックモニタリング、ビッグデータ分析やHadoopにおけるサーバー障害時の切り替えを高速化するRAIL(Rapid Automated Indication of Link-Loss)、リアルタイムのHealth Tracerによる分散監視システムなどの機能を備えている。
なお、ラインカードモジュールには、「12ポート100GbE」、「36ポート40GbE」、「48ポート10GbE+2ポート100GbE」、「48ポート10GbE」の4種を用意し、どのラインカードの組み合わせでも搭載可能となっている。
「Arista 7500Eシリーズ」の価格は、2000万円から。同社では、今後3年間で20億円の販売を目標にしている。
【お詫びと訂正】
初出時、チャップマン氏の写真を誤って掲載しておりました。お詫びして訂正いたします。